死にゆく星が造る、ガスとちりの造形美

【2004年9月15日 Hubble Newsdesk

NASAのハッブル宇宙望遠鏡に搭載されているACSカメラが捉えた、キャッツアイ星雲の画像が公開された。

(キャッツアイ星雲の画像)

キャッツアイ星雲。クリックで拡大(提供:NASA, ESA, HEIC, and the Hubble Heritage Team (STScI/AURA)、謝辞:R. Corradi (Isaac Newton Group of Telescopes, Spain) and Z. Tsvetanov (NASA))

キャッツアイ星雲(NGC 6543)は、りゅう座の方向、約3000光年かなたにある惑星状星雲だ。するどい猫の目を思わせる画像に捉えられた姿は、宇宙で星雲が見せるもっとも複雑な構造の1つといえる。画像には、同心円状の構造やジェットなどが見られる。観測によれば、同心円状に広がるガスはおよそ1500年ごとに星から放出されたもののようだ。1回に放出される質量は太陽の1%ほどである。

1500年ごとに質量放出が起こる原因についてはいくつかの説が提唱されているが、はっきりとしたことは不明のままだ。また、質量放出のパターンは約1000年前に突然変化しているようだが、その原因もわかっていない。太陽のような星の一生の最期を飾る惑星状星雲の観測と研究は、まだまだ続けられていく。

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