【新製品情報】キヤノン、光学解像度4,800dpiのA4フラットベッドスキャナー「CanoScan 9950F」を発売
【2004年9月14日 キヤノン株式会社】
キヤノン株式会社は、光学解像度4,800dpiでフィルムスキャンに重点を置いたハイエンドユーザー向けA4フラットベッドスキャナー「CanoScan 9950F」を18日より発売すると発表した。なお、光学解像度3,200dpiのスキャナー「CanoScan 8400F」も同時発売される。価格はいずれもオープン。
「9950F」は、2003年2月に発売された「CanoScan 9900F」の後継機。細部までくっきり画像を読み取る光学解像度4,800dpiの6ラインカラーCCD「Canon's Hyper CCD IV」をはじめ、全読み取り領域で歪みの少ない新開発の非球面レンズ「Super Toric(ST)レンズ」、高速転送が可能なUSB2.0 Hi-SpeedとIEEE1394aのデュアルインターフェースなどを搭載している。
画像処理機能では、新画像処理技術「FARE Level3」を搭載し、従来機からの「ごみ傷除去」、「退色補正」、「粒状感低減」に加えて、「逆光補正」機能を新たに搭載した。これにより、逆光で撮影されたフィルム画像をきめ細やかな処理によって自然な色合いに補正されるという。
また、透過原稿は「透過原稿ユニット」を使用して、35mmフィルムの読み取りはスリーブで最大30コマ、マウントフィルムでも最大12コマの連続スキャンが可能になった他、ブローニーや4×5インチなどの大判フィルムにも対応している。反射原稿では、最大216×297mm(A4)サイズまでの取り込みができる。
なお、注目すべきは、「複数領域選択機能」に追加された「フィルムデフォルトクロップ機能」だろう。「複数領域選択機能」は、1回のスキャンで同一原稿から複数のスキャン領域を選択できるという機能(35mmフィルムなら30コマまで選択ができる)。しかし、一面星空といったコマの区切りが分かりづらい天体写真の場合、クロップ画像枠検知は自動的に行なえない。ところが、今回新たに搭載された「フィルムデフォルトクロップ機能」を使用することで、セットしたフィルムのサイズで選択範囲を固定してスキャンできるため、効率的に作業できるようになったという。
天体写真を想定した機能も追加されているだけに、天文用途として大いに期待できそうだ。買い替えを予定しているスキャナーのヘビーユーザーで、デジタル化しようと思っていた天体写真のフィルムがたくさん家に眠っているという方は、検討してみてもいいかもしれない。
「CanoScan 9950F」の主なスペック
- 形式:
- フラットベッドスキャナ
- 走査方式:
- 読み取りヘッド移動による原稿固定読み取り
- センサータイプ:
- 6ラインカラーCCD(Canon's Hyper CCD IV)
- 光源:
- 冷陰極蛍光ランプ
- 光学解像度(主走査×副走査):
- 4800×9600dpi
- 読み取り解像度
(ソフトウェア補完): - 25〜19200dpi
- インタフェース:
- USB2.0 Hi-Speed
IEEE1394a×1(Fire Wire400) Macintoshのみ - インタフェースコネクタ数:
- USB2.0 Hi-Speed×1、IEEE1394a×1
- 階調(カラー):
- <入力>48bit(各色16bit)
- <出力>48bit or 24bit(各色16bit or 8bit)ドライバで設定
- 反射原稿読み取り速度(カラー)
(データ転送時間を除く): - 11.0msec/line(2400dpi)
- 11.0msec/line(4800dpi)
- フィルム原稿読み取り速度
(データ転送時間を除く): - 5.5〜88.0msec/line
- 最大原稿サイズ
(反射原稿): - A4/レター、216mm×297mm
- 対応フィルムサイズ:
- 35mmフィルム、ブローニーフィルム、4×5インチフィルム