10億個の天体からなる究極の天の川銀河の地図作り

【2004年7月12日 ESA News

ESA(ヨーロッパ宇宙機関)では、天の川銀河に分布する10億個の天体の地図を作成するというホットなプロジェクトが進行中だ。この10億個の天体を捉えるミッションでは、最高精度を誇る2台のカメラを搭載した人工衛星ガイア(Gaia)の打ち上げが2010年に予定されている。

(衛星ガイアの想像図)

衛星ガイアの想像図(提供:ESA)

2010年の打ち上げ後は、5年の歳月をかけて膨大な数の天体を捉えていくことになる。その後の3年間で、すべての天体のデータがプロットされる。これにより、天体の位置だけでなく、運動の方向、色、組成にまでいたるデータが巨大な3Dコンピュータ・モデルとなる。究極の天の川銀河地図と呼ぶにふさわしいこのカタログは、将来あらゆるミッションで利用されることになるだろう。

さらにこのプロジェクトで興味深いのは、太陽と地球の軌道の間にある「ブラインド・スポット」と呼ばれる範囲を観測する点だ。この範囲は通常、地球からは昼間の間しか見ることができない。そのため、小惑星などの小さな天体を観測することが難しいのである。ガイアはこれらの小惑星も観測し、なぜ小惑星がそこに存在するのか、どこから来たのか、どんな物質でできているのかなどを鋭い目で追いかけることになっている。