赤外線宇宙望遠鏡「スピッツァー」が捉えた、美しい画像と関連データが「スピッツァー・サイエンス・アーカイブ」として公開

【2004年5月20日 Spitzer Press Releases

2003年8月に打ち上げられてから、まだ一年と経たない赤外線宇宙望遠鏡「スピッツァー」だが、同宇宙望遠鏡が蓄積してきた科学的に貴重な画像やデータが早くも公開されることとなった。「スピッツァー・サイエンス・アーカイブ」と名づけられたデータの公開は、全世界の専門家たちとデータを共有して、研究に役立ててもらおうという趣旨のものだ。

((上)NGC 300の画像、(下)Sharpless 140と呼ばれる、生まれたばかりの星がひしめく領域の画像)

(上)NGC 300、(下)Sharpless 140と呼ばれる、生まれたばかりの星がひしめく領域(提供:(上)NASA/JPL-Caltech、謝辞:G. Helou (Caltech) 、(下)NASA/JPL-Caltech、謝辞:G. Melnick (Harvard-Smithsonian CfA))

スピッツァー望遠鏡は、ハッブル宇宙望遠鏡、チャンドラX線観測衛星、ガンマ線天文台衛星コンプトンに続くNASAの4番目の宇宙望遠鏡だ。各衛星は異なる波長で宇宙を観測するが、スピッツァーは赤外線波長を担当している。ハイテクノロジーを駆使した赤外線の目を持つスピッツァー宇宙望遠鏡は、銀河や、生まれたばかりの星、新しく形成されつつある惑星系などを観測し、他の望遠鏡では決して見ることのできない世界をわれわれに見せてくれている。

今回のスピッツァー・サイエンス・アーカイブの開設は、いわばスピッツァーが捉えたデータの水門が大きく開かれたようなものだ。今後も観測が続けられる中、続々とわれわれと驚かせてくれる貴重な情報が公開されていくだろう。

なお、データのダウンロード及び関連ソフトは、Spitzer Science Centerにて取得できる。また、アーカイブの立ち上げ記念として、Images from Spitzerでは、最新のものも含め、スピッツァー宇宙望遠鏡がこれまでに捉えてきた画像を見ることができる。