火星探査機オポチュニティーの着陸地点は、海岸だった

【2004年3月26日 JPL News Release (1) / (2)

NASAの火星探査車オポチュニティーの探査によって、火星には海が存在していたことが発表された。オポチュニティーの着陸地点が、以前は塩水が流れる海岸の波打ち際だったというのだ。

(「Upper Dells」と名づけられた岩石。水の流れの痕跡を残している)

「Upper Dells」と名づけられた水の流れの痕跡を残す岩石

(火星の小さな球体「ブルーベリー」の画像)

鉄を含んだ鉱物が検出された火星の小さな球体「ブルーベリー」
(提供:NASA/JPLCornell/USGS)

海岸の存在を示すのは、発見された斜層理の構造を持つ岩石だ。この岩石は、もともと砂粒程度の石であったものが堆積、結合したものと考えられ、少なくとも5cm程度の深さのさざなみによって作られたというのだ。水の流れは、毎秒10〜50cmのスピードだったらしいこともわかっている。

3週間ほど前に発表された岩石調査結果も、塩湖や海の底でミネラル分が沈殿することによって作られたものである可能性が高いなど、火星に海が存在していたという説を支持している。また、以前から話題になっていた(着陸地点メリディアーニ・プラナム付近で発見された)「ブルーベリー」と名づけられた小さな球体から鉄を含んだ鉱物が検出されたこともあり、予測される過去の水の存在量は、日増しに大きくなっているようだ。

また、露出した層の上の部分だけではなく、下の部分にもこの球体が発見されていることから、過去メリディアーニ・プラナム付近一帯には、小さな球体を形成した層が広がっていたと考えられる。それが事実ならば、今では時の経過とともに侵食されてしまっているが、以前この場所にかなり大量の岩石が露出していたと考えられるのだ。過去の火星のイメージが少しずつだが明らかになってきている。

火星の歴史の中で、一定の場所に多くの水が存続していたという今回の発見は、地球外惑星探査の進歩の賜物であり、火星に微生物などが存在していたかどうか、さらに究極的にはわれわれ人類に適した環境を提供できるかどうかについての探査に大きくはずみをつけてくれるものとなった。

なお、オポチュニティーとスピリットの探査活動は、予定より2、3か月延長される可能性もあるという。今後も引き続き2台のローバーの活躍に注目したい。