ペンタックス、高速・高精度の可搬型赤道儀「PENTAX MS-55z」を発売
【2003年10月10日 ペンタックス株式会社】
ペンタックス株式会社は、高級タイプの可搬型赤道儀「PENTAX MS-55z」を10月31日より発売すると発表した。メーカー希望小売価格は1,980,000円。
「PENTAX MS-55z」は、従来型「MS-55i」の後継機にあたる高級タイプの可搬型赤道儀。希望小売価格は、198万円で「MS-55i」の価格129.8万円を大きく上回るが、久しぶりの新型発売ということで大幅な改良が加えられている。なお、「MS-55i」は製造中止となり、「MS-55z」へリプレイスしていくことになる。
「MS-55z」の主な特徴は、新開発のズーム式極軸望遠鏡を採用した点と、より高速導入が可能になった点。前者では、2倍ズーム極軸望遠鏡を採用し、最高倍率を18倍にアップ、さらに正立像での観察ができるようになっているため、よりスピーディな極軸合わせができるようになった。後者では、「MS-55i」が300倍速だったのに対し、本機では最高500倍速(対恒星時)と導入速度が約70%アップしている。最大搭載質量40kgとピリオディックモーション±3.5秒以内という追尾性能は「MS-55i」を引き継いだ。
さらに、極軸望遠鏡の暗視野照明に、従来からの赤色LEDに加え、都市部などの明るい夜空での視認性が高い緑色LEDを採用。切り替え式で使うことが可能となった。また、別売のバランスウェイトでは着脱が簡単なスリーブ式を採用し、1個あたりの重さは10?と扱いやすくなっており、ウェイト軸はステンレス材を採用したことにより、錆びにくくなった。
このほかにも組み立てのしやすさ、安定性の向上、コード類をワンタッチで脱着できるようにするなど、細かな部分にも配慮をしている。
「PENTAX MS-55z」赤道儀本体の主なスペック
- 型式:
- モーター内蔵ドイツ式赤道儀ピラー式
- 最高速度:
- 赤経・赤緯:500倍速(専用アダプター使用時)
- 目盛環:
- 赤経 5分
- 赤緯 1度
- ウォームホイル径:赤経・赤緯:
- φ216mm
- ウォームホイル歯数:赤経・赤緯:
- 280枚
- 極軸微動範囲:
- 方位 ±10°
- 高度 0°〜65°
- 水準器:
- 内蔵(据え付け精度30分以下)
- 最大搭載質量:
- 40kg(不動点より320mm)
- ピリオディックモーション:
- ±3.5秒以下
- コマンダー:
- 赤色LEDライト内蔵
- オート・トラッカー接続端子装備
- 不動点高(35°調整時):
- 1450mm
- 全高(ピラー部含む):
- 1840mm
- ピラー脚部据付径:
- φ1100mm
- 全質量:
- 145kg
「PENTAX MS-55z」極軸望遠鏡の主なスペック
- 対物レンズ:
- 1群2枚 アクロマート
- 接眼レンズ:
- 2群3枚 ケルナータイプ
- 正立系ズーム部:
- 3群5枚 リレーレンズタイプ
- 対物有効径:
- 34mm径
- 倍率:
- 9倍〜18倍の2×ズーム
- 見掛け視界:
- 46°※ズームによる視野環の変化なし
- 実視界:
- 5.1°〜2.6°
- 極軸レチクル歳差補正:
- 北天・南天両用、歳差補正(2025年まで対応)、赤色/緑色切り替え式暗視野照明付き