巨大分子雲W49に多くの大質量星が見つかった

【2003年7月28日 ESO Press Release

ESO(ヨーロッパ南天天文台)の3.5m望遠鏡による赤外線観測から、我々の銀河系内にある巨大な分子雲の中に太陽の100倍以上の質量を持つ高温星が集まった星団が存在していることが明らかになった。

(W49A)

星形成領域W49Aの中心部。電波や赤外線波長の3画像を合成した擬似カラー画像(提供:ESO)

星団が見つかったのは、地球から37,000光年ほど離れたW49と呼ばれる巨大な分子雲の領域で、太陽の100万倍の質量があり、太陽の数百万倍明るく輝いている。特に、その一角にあるW49Aという領域からはひじょうに強い電波が放射されている。

研究グループは赤外線波長でW49A領域を観測し、電離水素領域の中心部に20光年ほどの大きさの星団を発見した。また、W49A領域全体では4つの星団が観測され、太陽の15〜20倍の質量を持つ恒星が100個以上も見つかった。この領域がこれほどまで明るく輝く理由は謎であったが、今回発見された数多くの大質量星がその源であると考えられる。

領域全体にこのような大質量星が分布していることから、星形成はあちこちの領域で同時期に起きたと考えられている。分子雲の向こうに思いがけない発見があったことで、研究者たちはとても興奮しているようである。

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