情報トピックス(2003年6月)

国内のさまざまなメディアで取り上げられた天文ニュースや皆様からお寄せいただいた写真などを紹介しています。記事の詳細については各リンク先を参照してください。

2003/06/27

● 東工大、東大の手作り超小型衛星が30日打ち上げ

東工大や東大が自作した、10cm立方、重量1kg以下という超小型の人工衛星「CubeSat」が30日に打ち上げられる。カメラによる地球撮像実験や通信プロトコルの実証実験などが行なわれる予定。

● 新製品情報:オリンパス「Olympus E-1」

4/3型(フォーサーズ・システム)規格のCCDを採用した、オリンパス初のレンズ交換式デジタル一眼レフカメラ。最長露出8分、ISO感度1600/3200の設定可能(拡張時)、IEEE1394、USB2.0対応など、天文ファンのニーズにも応える機能が搭載されている。10月上旬発売予定

● 「コロンビア号」の事故調査状況(宇宙開発事業団)

6月25日(日本時間)行なわれたCAIB(コロンビア事故調査委員会)による事故調査活動に関する記者会見を要約して掲載。事故の原因は依然特定されていないが、従来より言われていたように断熱材の衝突により左翼パネルが損傷したことがもっとも有力だとされている。

● 6月30日に起こる、小惑星による恒星食の改良予報

小惑星(108) Hecubaによる恒星食。6月30日(月)22時14分、九州南部で観測される可能性がある。
恒星は TYC6872-00875-1(赤経 18h52m01.511s、赤緯 -28°43'03.17"(J2000)、9.6等、いて座φ星とζ星の中間付近)
2.8等の減光で、継続時間は最長5.1秒

小惑星(1357) Khamaによる恒星食。6月30日(月)22時18分、南西諸島方面で観測される可能性がある。
恒星は TYC6832-00557-1(赤経 17h44m52.620s、赤緯 -25°43'37.032"(J2000)、9.9等、いて座3番星の北 約2°11')
5.6等の減光で、継続時間は最長3.7秒

2003/06/20

● 写真投稿:「薄明中の月と火星」

田子十兵衛さん撮影。早朝の市民薄明中の月と火星。クリックで拡大

(月と火星の写真)

撮影日時:6月20日 5時29分(露出 1/20秒、F2、ISO180相当、通常撮影モード、ピント:無限遠)、5時43分(露出 1/1000秒、F2、ISO100相当、通常撮影モード、ピント:マニュアル)
撮影地:沖縄県大宜味村
2枚をPhotoshop5で合成(不透明度50%:暗いほう合成)など

2003/06/18

● 写真投稿:「ToUcam Proによる火星」

米山誠一さん撮影。Philips社のWebCam「ToUcam Pro」(PCVC740K)でとらえた火星の写真。クリックで拡大

(火星の写真)

撮影日:5月22日(601フレーム)、5月29日(1200フレーム)、6月6日(1200フレーム)、6月14日(960フレーム)
撮影機材等:Vixen SS200GPD(D=200mm F4)、LV5mm(合成fl=約9,600mm 合成F48)、ToUcam Pro(PCVC740K)レンズ除去改造、露出 1/25秒、転送レート 5〜10フレーム/秒、撮影時間 120秒、動画処理ソフト(AVI to BMP)Registax にてスタック後ウェーブレート強調処理
●撮影者コメント:ToUcam Proは、光量が不足すると、赤い色が強くなる傾向があります。その為、透明度の違いにより撮影毎に火星の色が変化してしまいました。

● 写真投稿:「DCR-TRV30による火星」

山口守さん撮影。ソニーのハンディカムDCR-TRVでとらえた火星の写真。クリックで拡大

(火星の写真)

撮影データは下記「デジカメ実験隊」のページに記載。

● 赤外線天文衛星の打ち上げ、大幅遅れ確実 部品に問題(asahi.com : サイエンス)
● 科学衛星打ち上げ、大幅に見直す 財政難などを理由に−−文科省・宇宙科学研究所(Mainichi INTERACTIVE)

来年2月に予定されていた日本初の赤外線天文衛星ASTRO-Fの打ち上げが延期された。試験中に発生した不具合に対処するためとされており、1年程度の遅れと見られている。その他3つの衛星の打ち上げスケジュールについても見直された。

● 「コロンビア号」の事故調査状況(宇宙開発事業団)

6月13日(米国時間)に発表されたCAIB(コロンビア事故調査委員会)による事故調査活動の報告を要約して掲載。部品のボルトが脱落する危険性が新たに指摘された。また、断熱材衝突実験の結果も報告された。事故の原因は依然として特定されていない。

2003/06/17

● 写真投稿:「M74に現れた超新星SN2003gd」

佐野康男さん撮影。12日に出現した超新星の写真。クリックで拡大

(M74と超新星SN2003gdの写真)

撮影日時:2003年6月15.71日(世界時)、露出 30秒
撮影地:北海道名寄市
撮影機材等:28cmシュミットカセグレン + ST-9E
佐野さんの観測ページでは、他の写真や光度観測のグラフなども見られます)

2003/06/16

● 天文関連書 新刊情報

宇宙 その始まりから終わりへ
杉山直(すぎやま・なおし)著 朝日新聞社
本体1200円 19cm 256p(朝日選書729)
ISBN 4-02-259829-8

2003/06/12

● 米火星探査機、打ち上げ成功 来年初めに火星着陸(asahi.com : サイエンス)
● 火星探査車1号、打ち上げに成功−−NASA(Mainichi INTERACTIVE)

NASAの無人火星探査車「spirit」が打ち上げられた。来年1月初めに火星に到着し、地表の調査を行なって水や生命の証拠を探す。月末には2号機「opportunity」が打ち上げられる予定。

2003/06/11

● 写真投稿:「しし座η星の恒星食」

田中一幸さん撮影。6日に起こった恒星食の写真。クリックで拡大

(しし座η星食の写真)

撮影日時:2003年6月6日 21時8分〜20分、露出 0.06秒×166枚コンポジット
撮影地:東京都稲城市
撮影機材等:セレストロン Ultima2000(20cmシュミカセ経緯台)、ビットラン BJ40L、Gフィルタ、月面基準で月面を通常コンポジット、アンシャープマスク処理の後、恒星を月面基準で明るい画素でコンポジット
●撮影者コメント:普段月の移動する速さを感じることはほとんどないのですが、このときばかりは恒星の動きから月の移動をリアルタイムに実感することができました。

● 「コロンビア号」の事故調査状況(宇宙開発事業団)

6月6日(米国時間)に発表されたCAIB(コロンビア事故調査委員会)による断熱材衝突実験結果の速報内容を要約して写真と共に掲載。実験でもパネルなどに亀裂が生じることが確かめられたが、事故の原因かどうかについては依然特定していない。

2003/06/09

● 直径数十メートル?巨大いん石の落下跡発見か シベリア(asahi.com : サイエンス)

ロシア・シベリア地方で、約100平方キロにわたる広い範囲で樹木がこげた後が見つかった。昨年9月に落下した巨大隕石の跡ではないかとみられている。

● 天文関連書 新刊情報

プラネタリウムを作りました 7畳間で生まれた410万の星
大平貴之(おおひら・たかゆき)著 エクスナレッジ
本体1800円 21cm 255p 卓上プラネタリウムペーパークラフト(6枚)
ISBN 4-7678-0251-2

2003/06/05

● 欧州の火星探査機、カザフスタンから打ち上げ(asahi.com : サイエンス)
● 火星探査機:欧州宇宙機関が打ち上げ 大接近でラッシュに(Mainichi INTERACTIVE)
● 探査機マーズ・エクスプレスの打上げ成功(日本惑星協会)

ESA(ヨーロッパ宇宙機関)の火星探査機マーズ・エクスプレスが打ち上げられた。ESAの惑星探査機打ち上げは初めてのことである。今年12月27日に火星軌道に到着の予定。

● 「コロンビア号」の事故調査状況(宇宙開発事業団)

5月29日早朝(日本時間)に開かれたCAIB(コロンビア事故調査委員会)の定例記者会見の内容を要約して掲載。断熱材衝突実験の結果などが公表された。事故の原因はまだ特定されておらず、最終報告は夏の後半になる見通し。

● 宇宙開発機構:USERSから超伝導材料搭載のカプセル回収(Mainichi INTERACTIVE)

昨年9月に打ち上げられた人工衛星「USERS」から分離した実験カプセルを太平洋上で無事に回収。宇宙空間で作られた超伝導材料を搭載している。

● 6月8日に起こる、小惑星による恒星食の改良予報

小惑星(324) Bambergaによる恒星食。6月8日(日)20時21分、南西諸島方面で観測される可能性がある。
恒星は TYC6119-00529-1(赤経 13h11m41.956s、赤緯 -21°58'48.77"(J2000)、11.3等、うみへび座とおとめ座の境界付近、うみへび座ψ星の北 約01°17')
1.5等の減光で、継続時間は最長33.7秒

小惑星(259) Aletheiaによる恒星食。6月8日(日)23時59分、北海道西部で観測される可能性がある。
恒星は TYC6844-03034-1(赤経 18h21m45.125s、赤緯 -23°46'27.92"(J2000)、11.4等、いて座λ星の北西 約2°10')
0.9等の減光で、継続時間は最長17.6秒