12 月 28 日の小惑星ボリビアーナによる恒星食の改良予報
【2001年12月25日 アストロアーツ】12 月 26 日更新
12 月 28 日(金)に小惑星ボリビアーナによる恒星食が起こる。この予報を佐藤勲さんとせんだい宇宙館からいただいたので、それぞれ紹介しよう。
<佐藤勲さんによる予報(ONM No. 606)>
12月28日(金)に起こると予報されていた小惑星(712)Boliviana(11.1等)によるTYC071600821(10.27等)の掩蔽は、同日23h36mごろ、東北、北陸地方で見られます。
隠される恒星の2000年分点の位置は、赤経05h55m38s3814±0".041, 赤緯+08°01'33"450±0".047で、ベテルギウスの北40'にあります。一方、隠す小惑星の推定直径は128km、視直径は0".145で、改良予報での暦の精度は0".014です。
名目上の掩蔽帯は、岩手県、宮城県、山形県、福島県、新潟県、富山県、石川県などを通っており、ここを中心に東北、北関東、北陸、四国地方が可能性圏内にあります。現象が起これば、最長14秒間にわたって1.2等級の減光が起こります。
詳しいお問い合わせと観測報告は、佐藤 勲 氏(E-mail ANA65381@nifty.ne.jp)までお願いいたします。
さらなる改良予報が出た場合は、電子メールや電話、アストロアーツのホームページでも情報を流します。また、観測報告は、eGroupに参加登録の上(eGroupにログイン)、occultation@egroups.co.jpに投稿して下さい。(プロフィールを記入されませんと、参加登録されません。)
<せんだい宇宙館からの予報>
12月28日の小惑星(712)Boliviana による TYC 0716-00821-1 (mag 10.3)の掩蔽のIOTA による改良予報が発表されました。観測の可能な方は是非ご協力頂きたくお願い申し上げます。また、近隣の方々にも呼びかけをお願い申し上げます。
この予報は、ファインダーチャートとともに、以下のページにおきました。http://www2.synapse.ne.jp/uchukan/
今回の現象は、掩蔽帯の幅が約 141kmと広く、誤差(1σ)も経路幅の+/-26%と発表されており、かなり確実性の高いものと見られます。継続時間も、最長で14.2秒見込まれており、条件は良好です。
■ 2001.12.28 23h37m JST 恒星 :TYC 0716-00821-1 赤経 05h 55m 38.388s,赤緯 +08°01' 33.52"(J2000) 10.3等 オリオン座 α星(ベテルギウス)の北 約38分 小惑星:(712)Boliviana 11.1等 減光 :約 1.2等 継続時間は最長 14.2秒 掩蔽帯:中国地方,北陸地方,関東地方北部,東北地方南部
改良予報の在所: http://www.oz.net/~stevepr/Asteroids/asteroid.htm
観測に成功されましたら、是非、国立天文台相馬充氏 または、せんだい宇宙館早水勉までご報告をお願いいたします。観測されましたデータは、IOTA,国立天文台,海上保安庁水路部,東亜天文学会 他、広く公開され星食の研究に役立てられます。
必要なデータは、
- 観測者氏名
- 観測地および観測地の経緯度
- 観測開始と観測終了の時刻
- 減光が観測されたか? 減光が観測されなくとも重要なデータです。
- 減光がおきた場合の時刻:減光開始の時刻および減光終了の時刻
- 観測機材
- 時刻保持の方法
です。観測は眼視によるものでも重要なデータとなりますが、可能な方は、是非ビデオによる観測をお願いいたします。時刻保持のためには、極力、GPS時計、短波時報(外国)などの正確な時報を用いてください。固定電話による117時報も0.03秒程度の信頼性があります。携帯電話の時報、電波時計、は遅れが大きいので避けてください。