小惑星による恒星食の予報 (12月)
【2000年11月30日 佐藤 勲 氏 ONM No.549】
12月の小惑星による恒星の掩蔽予報を掲げます。TYC番号の現象は、Tycho-2星表の出版によって新たに追加された現象です。
90点以上の現象は好条件、100点以上の現象は、高い割合で観測に成功しています。点数の高い現象ほど、改良予報のための位置観測や、現象の観測を優先的に行なって下さるようお願いします。1mas=0".001です。◎, ○のついた現象は、新たな改良予報が出なくてもマークして下さるようお願いいたします。
- 1日 (622 Esther; エステル)
東海、近畿、中国地方を中心に、関東から四国方面が可能性圏内です。
- 3日 (3798 de Jager; デヤヘル)
日本で見られる可能性はなくなりました。
- 7日 (205 Marta; マルタ)
日本で見られる可能性はなくなりました。
- 7日 (172 Baucis; バウキス)
東北地方を中心に、北海道南部から北陸、北関東が可能性圏内です。
- 10日 (346 Hermentaria; エルマンタリア)
北陸、中部、関東地方を中心に、東北南部から近畿地方までが可能性圏内です。
- 11日 (1595 Tanga; タンガ)
東北を中心に、北海道から四国までが可能性圏内ですが、小惑星の直径は小さいものです。
- 12日 (219 Thusnelda; トゥースネルダ)
北方領土を通っており、北海道東部のみ可能性圏内です。
- 14日 (3334 Somorov; ソモロフ)
津軽海峡を中心に、東北、北海道が可能性圏内です。
- 17日 (1243 Pamela; パメラ)
日本で見られる可能性は、ほとんどなくなりました。
- 18日 (402 Chroe; クロエ)
東北、北海道方面を中心に、東日本を通る見込みです。
- 21日 (2797 Teucer; テウケル)
トロヤ群小惑星で、予報の誤差が大きく、日本のどこを通るかわかりません。
- 22日 (63 Ausonia; アウソニア)
東海、近畿、中国地方を中心に関東、中部、四国地方が可能性圏内で、現象が捕らえられる可能性が高いので、観測キャンペーンを張ります。
- 28日 (584 Semiramis; セミラミス)
太平洋岸を通る見込みで、北へずれると、関東、東海、近畿、四国、九州などを通ります。
月 日 JST 小惑星 直径継続減光 恒星名 光度 赤経(J2000)赤緯 点 h m 番号 名前 km 秒 等 等 h m s o ' 数 12 1 28 04 622 Esther 31 8 1.1 TYC076600134 12.1 07 11 04 +10 03.7 75 ×12 3 24 55 3798 de Jager 6 27 6.5 ACT 0706990 10.6 08 26 17 +21 12.5 73 ×12 7 22 51 205 Marta 81 8 1.7 TYC074801822 11.9 06 56 51 +08 36.3 79 12 7 27 56 172 Baucis 62 7 1.2 TYC235301574 11.3 03 26 21 +35 59.7 78 ○12 10 26 01 346 Hermentaria 106 12 0.6 TYC191101574 11.6 07 35 23 +23 31.5 85 12 11 25 23 1595 Tanga 22 2 8.5 HIP 019281 7.6 04 07 55 +16 31.8 74 12 12 24 36 219 Thusnelda 41 10 3.3 TYC027700356 10.8 09 19 50 +01 08.7 83 12 14 24 06 3334 Somorov 14 1 10.6 43 Tau 5.5 04 09 10 +19 36.6 80 ×12 17 21 06 1243 Pamela 70 5 3.5 ACT 0477309 10.7 05 50 34 +16 24.4 82 12 18 29 33 402 Chroe 54 11 1.4 TYC080301102 11.5 08 24 54 +12 48.3 79 12 21 22 05 2797 Teucer 111 7 2.8 TYC297301015 12.4 08 09 00 +39 05.6 73 ◎12 22 25 35 63 Ausonia 103 9 1.3 ACT 0885917 10.5 04 22 40 +30 26.6 89 12 28 19 49 584 Semiramis 54 5 2.8 ACT 0699250 9.0 07 37 41 +20 18.8 84
改良予報の掩蔽帯図を小惑星食センターに掲載しています。
最近、外国からも小惑星の掩蔽の改良予報が入ってきますが、ここには、2001年の現象の改良予報も掲載されており、世界で最も早く改良予報が見られるサイトです。さらなる改良予報が出た場合は、電子メールや電話、アストロアーツのホームページでも情報を流します。また、観測報告は、
http://www.egroups.co.jp/group/occultation
http://www.egroups.co.jp/myprofile
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※来年の小惑星による恒星の掩蔽予報は、先頃のアンケート結果に基づいて、希望者に2000円(送料込)で頒布することとします。小惑星センターのホームページは、これまで通り、フリーアクセスで改良予報が見られるようにしますが、公開されるのは掩蔽帯図のみで、星図はサポートされません。一方、プリント版の初期予報は、独自の軌道改良によって、従来の改良予報に匹敵する精度があり、星図を含んでいます。今年までの初期予報とは、予報の質が違いますので、観測用星図を持っていない方は、プリント版の初期予報を購入されることを強くお勧めします。希望者の方は、2000円(現金または定額小為替)を私宛に郵送するか、銀行振り込みで
三菱銀行渋谷支店 普通6776452 佐藤 勲
に振り込んで下さい。