小惑星による恒星食の予報(11月)

【2000年10月30日 佐藤 勲氏 ONM No.547】

11月の小惑星による恒星の掩蔽予報を掲げます。TYC番号の現象は、Tycho-2星表の出版によって新たに追加された現象です。

90点以上の現象は好条件、100点以上の現象は、高い割合で観測に成功しています。 点数の高い現象ほど、改良予報のための位置観測や、現象の観測を優先的に行なって下さるようお願いします。 1mas=0".001です。◎,○のついた現象は、新たな改良予報が出なくてもマークして下さるようお願いいたします。

・2日のフォトグラフィカは、北陸、北関東を中心に、東北南部、関東、中部地方を通る可能性が高くなっています。

・3日のブラティスラビアは、オホーツク海を通る見込みで、南へ1.5σ以上ずれると北日本を通ります。

・18日のホランディアは、北日本方面を中心に可能性があります。

・20日のヒッポは、台湾方面を通る可能性が高く、沖縄方面でのみ可能性があります。

・21日のシュタイナは、伊豆諸島、沖縄方面を中心に、関東、中部、近畿、四国、九州方面が可能性圏内にあります。恒星は5等と明るいですが、わずか1秒間の現象です。

・21日のマルティノフは、北日本方面で可能性がありますが、超低空です。

・21日のカリクロは、掩蔽帯が地球を外れる見込みです。

・23日のオーストリアは、日本の太平洋岸を通る見込みで、関東、東海、近畿、四国、九州が可能性圏内です。

・27日のレダは、日本の太平洋岸を通る見込みで、東北から沖縄までが可能性圏内です。

・28日のティアは、九州地方を通る見込みで、東海、近畿、四国、九州が可能性圏内です。

・29日のポリヒムニアは、九州地方を通る見込みで、関東〜九州が可能性圏内です。

  月 日  JST    小惑星        直径継続減光    恒星名    光度  赤経(J2000)赤緯  点
         h  m 番号 名前         km 秒   等                等  h  m  s   ゚  '   数
○11  2 26 54  443 Photographica27  2  6.2 HIP   038638  8.2 07 54 42 +15 26.1 80
  11  3 27 58  690 Wratislavia 135  5  2.7 TYC024501041 11.8 10 19 38 +00 03.4 70
  11 18 22 00 1132 Hollandia    34  3  5.2 ACT  0641303  9.2 03 34 04 +24 18.5 71
  11 20 20 19  426 Hippo       127 10  2.6 TYC054500532 11.7 21 53 55 +01 09.1 82
  11 21 20 31  707 Steina       12  1  8.8   44   Tau    5.4 04 10 50 +26 28.9 79
×11 21 22 32 2376 Martynov     38  3  7.6 ACT  2596147  8.6 22 42 57 -12 21.0 77
×11 21 27 4310199 Chariklo    174 11 10.3 HIP   050806  7.7 10 22 23 -04 25.5 96
  11 23 22 14  136 Austria      40  4  2.6 TYC068301063 10.3 04 50 44 +08 01.3 78
  11 27 23 02   38 Leda        116 20  0.5 TYC189101253 12.4 06 30 06 +29 15.5 86
○11 28 25 29  405 Thia        125 10  2.6 ACT  0632694 10.9 01 53 54 +21 00.9 90
○11 28 26 11  769 Tatjana     106 17  3.5 TYC194000635 11.5 08 15 14 +28 24.4 85
  11 29 25 08   33 Polyhimnia   65  6  1.1 TYC186801804 11.7 06 06 36 +26 12.8 75

改良予報の掩蔽帯図を
http://www.wtl.co.jp/astro/aoc/aoc_j.html
に掲載しています。 最近、外国からも小惑星の掩蔽の改良予報が入ってきますが、ここには、10月以降の現象の改良予報も掲載されており、世界で最も早く改良予報が見られるサイトです。 さらなる改良予報が出た場合は、電子メールや電話、アストロアーツのホームページ
http://www.astroarts.co.jp/
でも情報を流します。

今年の小惑星食の予報、またはTycho-2星表による追加予報を希望される方は、御連絡下さい。 また、観測報告は、
http://www.egroups.co.jp/group/occultation/
http://www.egroups.co.jp/myprofile
でeGroupに参加登録の上、
occultation@egroups.co.jp
に投稿して下さい。

※来年の小惑星による恒星の掩蔽予報は、先頃のアンケート結果に基づいて、希望者に2000円(送料込)で頒布することとします。 小惑星センターのホームページは、これまで通り、フリーアクセスで改良予報が見られるようにしますが、公開されるのは掩蔽帯図のみで、星図はサポートされません。 一方、プリント版の初期予報は、独自の軌道改良によって、従来の改良予報に匹敵する精度があり、星図を含んでいます。 今年までの初期予報とは、予報の質が違いますので、観測用星図を持っていない方は、プリント版の初期予報を購入されることを強くお勧めします。 予約申し込みは、10月30日より受け付けます。