土星に4つの新衛星を発見した衛星ハンター

【2000年10月27日 コーネル大学ニュース・リリース (2000.10.26)

衛星ハンターとして知られる国際的な研究チームが土星に衛星を新たに4つ発見し、10月26日、アメリカ天文学会・惑星科学分科会の定例会で発表した。これで現在知られている土星の衛星は22個となり、天王星の21個を抜いて土星は太陽系で最も多くの衛星が知られる惑星となった。明るさから推定すると、新たに発見された4個の衛星は直径10キロメートル〜50キロメートル程度で、土星表面から1500万キロメートル以上の地点を周回している。研究チームによると、今回の発表はまだ予備的なものにすぎず、研究チームでは今回発表されたもの以外にも数個の土星の衛星の候補天体を発見しているという。

研究チームは、Brett Gladman氏(アメリカ・コーネル大学研究員)、Joseph Burns氏ならびにPhilip Nicholson氏(アメリカ・コーネル大学天文学部教授)、Jean-Marc Petit氏ならびにHans Scholl氏(フランス・コート・ダジュール天文台)、J.J. Kavelaars氏(カナダ・マクマスター大学)、Matthew Holman氏ならびにBrian Marsden氏(アメリカ・ハーバード・スミソニアン宇宙物理学センター)の計8名。

同じ研究チームは1997年〜1999年にかけて天王星に5つの衛星を新たに発見している。今回土星に発見した4個の衛星も、以前に天王星に発見した5つの衛星も、すべて長周期の楕円周回軌道を持つ特異な衛星である。太陽系のほとんどの衛星は、惑星の赤道面にほぼ沿った円に近い周回軌道を持つ。

Nicholson氏によると、長周期の特異な軌道を持つことから、これらの衛星は惑星の形成後に惑星の重力に捕らえられて惑星を周回するようになった天体である可能性が高いということだ。