ガンマ線バースト観測衛星HETE-2打ち上げ成功

【2000年10月10日 Orbital Science News (2000.10.10)

10月10日、日本・アメリカ・フランス共同のガンマ線バースト観測衛星「HETE-2」を積載したオービタルサイエンス社製ペガサス・ロケットが打ち上げられた。これによりペガサス・ロケットは通算30回目の打ち上げ成功、1996年以降18回連続での打ち上げ成功となった。ペガサス・ロケットは、高空で航空機の胴体下から水平発射されるユニークな小型衛星打ち上げ用ロケットである。

ガンマ線バーストとは、宇宙の一点から突然多量のガンマ線が爆発的に放射される現象であり、宇宙で最も規模の大きい爆発現象のひとつである。太古の宇宙に起源をもつらしいことはわかっているが、その正体は謎に包まれている。短期間で収束してしまう現象であるため、バーストの発生後できるだけ早期に正確な位置をつかみ、すばやくさまざまな観測機器で観測を行なうことが解明のカギとなる。「HETE-2」の役割は、ガンマ線バーストの発生を監視し、すばやく高精度な位置速報を行なうことである。「HETE-2」の登場により、ガンマ線バーストの発生からの速報性および位置測定精度は飛躍的に向上する。

「HETE-2」の製作においては日本の理化学研究所が、ガンマ線バーストの位置決めにおいて中心的な役割を担う観測装置「広視野X線モニター」の開発・製作を担当している。

<参考>