イギリスのキラー天体対策委員会の報告書が公開

【2000年9月21日 イギリス地球近傍天体対策委員会 (2000.9.18)

イギリスの地球近傍天体対策委員会(Near Earth Objects Task Force)の報告書が公開された。この対策委員会はイギリスの科学大臣サインズバリ卿が2000年1月に立ち上げたもので、地球軌道と交差する軌道を持ち潜在的に地球衝突の可能性を持つ地球近傍天体(Near Earth Object; NEO)(小惑星または彗星)に関する研究を目的としている。委員会の主要メンバーはHarry Atkinson博士(委員長)、Cripton Tikell卿、David Williams教授の3名。

今回公開された報告書は、全59ページから成り、全ページ・カラーで図版を多用したひじょうに見ごたえのあるものとなっている。PDF形式で、ファイルサイズは661KB。上記リンクからダウンロードできる。読むには、Adobe Acrobat Readerが必要。

報告書では、直径1キロメートル以上の天体の地球衝突の可能性は10万年に1度程度だが、そのような衝突は地球規模の災害を引き起こすことになるため、リスクは無視できないと結論した上で、国際的な協力のもと、南北両半球への3メートル級のNEO捜索望遠鏡の設置、複数のNEOランデブー探査機によるさまざまななNEOの性質の確認、衝突の回避または被害の低減のための手段の研究、そして一連の国際協力活動を円滑に進めるためのイギリス国立NEOセンターの設立など14の勧告を行なっている。

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