NASA、冥王星探査機計画を当分凍結

【2000年9月21日 FLORIDA TODAY News (2000.9.15)

NASAは、無人冥王星探査機計画を当分凍結することを決定した。

この探査機計画は、「Pluto-Kuiper Express」と呼ばれるもので、1998年に始まり、今なお計画段階にあったが、必要な費用の見積もりは1998年当初のものから倍にも膨れ上がっていた。このコストの問題が凍結の最大の理由。

NASAによると、これまでに冥王星探査機計画で得られた成果は、木星の衛星「エウロパ」の探査計画や将来の冥王星探査機計画に活かされることになるという。

冥王星へ探査機を送り込むには、燃料の節約のため木星の重力を利用した「スイングバイ航法」による加速を行なうことが必要で、打ち上げのチャンスは限られる。最新の計画では、2004年に探査機を打ち上げ、2012年〜2016年に冥王星系に到着することを目指していた。

計画チームの科学者のひとりであるRichard Terrile氏は、現在の計画が最も安上がりな計画であると主張しており、凍結の決定に失望している。Terrile氏によると、2〜3か月中に計画の再開が決定されれば、2004年の打ち上げに間に合うという。

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