小惑星による恒星食の予報(8月)

【2000年8月1日 佐藤 勲 氏 ONM No.533 】

8月の小惑星による恒星の掩蔽予報を掲げます。TYC番号の現象は、Tycho-2星表の出版によって新たに追加された現象です。

90点以上の現象は好条件、100点以上の現象は、高い割合で観測に成功しています。 点数の高い現象ほど、改良予報のための位置観測や、現象の観測を優先的に行なって下さるようお願いします。 1mas=0".001です。 ◎,○のついた現象は、新たな改良予報が出なくてもマークして下さるようお願いいたします。

5日(Lampetia;ランペルタ)
東北南部、北陸、中国地方を中心に、東北から九州まで広い地域を縦断する可能性がありますが、わずか0.4等級の減光なので、眼視での観測は困難です。

14日(Palma;パルマ)
中国東岸を中心として、東へ1.5σ以上ずれた場合に西日本で見られる可能性があります。

21日(Adria;アドリア)
徳島、兵庫、京都を中心に、北陸、近畿、中国地方東部および四国で見られることが確実です。星は南に低いのですが、観測キャンペーンを張ります。

24日(Sophrosyne;ソフロシネ)
中国〜朝鮮半島を通る見込みですが、日本では低空のため、観測困難です。

27日(Landgraf;ランドグラフ)
日没後の薄明中の現象で、名目上の掩蔽帯は九州を通っており、西日本方面で見られる可能性があります。

28日(Roswitha;ロスビタ)
1σ〜2σ北へずれると、日本を通ります。

31日(Faina;ファイナ)
東北地方中部を中心に、北海道南部から関東北部にかけて見られる見込みです。 最長27秒間という長い現象です。

 月 日  JST    小惑星      直径継続減光    恒星名    光度  赤経(J2000)赤緯  点
        h  m 番号 名前       km 秒   等                等  h  m  s   ゚   '  数
○8  5 22 58  393 Lampetia   97 35  0.4 TYC168601436 11.8 22 20 21 +18 04.7 93
  8 14 28 02  372 Palma     189  9  0.9 TYC283200832 11.8 02 33 13 +38 58.6 77
◎8 21 20 52  143 Adria      90 13  4.3 HIP   088299  9.4 18 01 55 -34 08.2 98
×8 24 28 00  134 Sophrosyne123 10  1.0 TYC637800028 11.6 22 13 55 -16 35.6 84
  8 27 19 34 3132 Landgraf   39 14  6.8 ACT  2799753 10.1 18 08 06 -22 58.8 88
  8 28 23 03  615 Roswitha   48  8  4.4 TYC122701215 11.0 02 57 02 +17 37.0 78
○8 31 24 40  751 Faina     110 27  1.5 TYC528300035 11.1 02 13 35 -11 38.9 94

改良予報の掩蔽帯図をhttp://www.wtl.co.jp/astro/aoc/aoc_j.htmlに掲載しました。

このページは、随時更新されます。 さらなる改良予報が出た場合は、電子メールや電話、アストロアーツのホームページでも情報を流します。

今年の小惑星食の予報、またはTycho-2星表による追加予報を希望される方は、御連絡下さい。

参照 2000年の掩蔽の初期予報