原住民活動家がハワイ・マウナケア山頂の望遠鏡群を非難

【2000年6月19日 Yahoo! News / AP (2000/6/17)

赤道直下にあり4000メートル超のハワイ・マウナケア山頂は、地球上で最も天体観測に適しており、各国の大型望遠鏡が軒を連ねてきた。今やその数は12基に達する。たった一つの山頂にこれだけの大型望遠鏡が設置されている地点は他には無い。この場所で得られてきたさまざまな観測成果は、偉大なものである。

しかし、しばしば雪に覆われることもあるマウナケア山頂は、ハワイ島の原住民にとって神聖な場所。そこは、雪と霧の女神の住むところであり、過去と今をつなぐ「へそ」なのだ。原住民達は、霊界とのつながりを確立するため、そこにある小さな湖に、何世代にも渡って子供のへその緒を奉げてきた。

そして、ハワイの原住民の活動家達が、その望遠鏡群の存在を、ハワイの神聖な土地の侵略であると避難している。

ハワイ大学の関係者は、16日に合意に達した、今後20年の望遠鏡計画の修正基本計画が、この非難を静めてくれることを願っている。

修正計画では、もとの計画で科学利用に割り当てられていた11,300エーカーの土地のうち、150〜160エーカーをキャンセルする。原住民を含む評議会のメンバーには、今後も開発に関して大きな発言力が与えられ、さらに地域のメンバーやハワイ文化の専門家をアドバイザーとして招く。また、山頂の大きな景観変化を禁止する(新しい望遠鏡は、周囲の地形を利用してその姿を隠す必要がある)。