NASA、プラズマ・ロケットの開発で民間会社と提携

【2000年6月15日 NASA RELEASE: 00-91

NASAは新推進方式による次世代ロケット・エンジンの共同研究に関する提携において、MSE Technology Applications社(アメリカ・モンタナ州)と合意に達したことを発表した。この次世代ロケットにより、次の10年のうちに有人惑星探査が可能になると期待される。

これは、可変特殊インパルス電磁プラズマ・ロケット(Variable Specific Impulse Magnetoplasma Rocket; VASIMR)と呼ばれるもので、NASAのジョンソン宇宙センターの先端宇宙推進研究所(Advanced Space Propulsion Laboratory)において研究が進んでいる。

VASIMRの最大の利点は、適切な推進効率を維持するための調節が可能である点。

VASIMRを用いた火星への片道航行は、行程の前半は継続した加速を行ない、後半は船体を反転させて継続した減速を行なうというものになり、エンジンを停止した惰性航行は行なわない。所要期間は3か月弱。現行の化学ロケットを用いた場合、7〜8か月かかる上、長期間の惰性航行も要する。

また、VASIMRを用いると人工衛星の軌道投入により大きな柔軟性が得られるため、民間の需要も大きい。