NASA、犬の骨状の小惑星のコンピュータ画像を公開

【2000年5月8日 NASA Space Science News (2000/5/8)

NASAはレーダー観測に基づく小惑星216「クレオパトラ(Kleopatra)」のコンピュータ画像を公開した。

レーダー観測に基づく小惑星216「クレオパトラ」のコンピュータ画像

「クレオパトラ」は、火星〜木星間の主小惑星帯にある。1880年に発見されていたが、形状はこれまで謎だった。今回の観測により、長さ217km、幅94kmの「犬の骨」のような形状をしていることがわかった。レーダー観測により主小惑星帯の小惑星の詳細な形状が明らかにされたのは今回がはじめて。

観測に用いられたのは、西インド諸島のアメリカ自治領プエルト・リコに位置するアレシボ天文台の305m電波望遠鏡。この電波望遠鏡は単一アンテナとしては世界最大。1963年に開眼し、1990年代に改装され大幅に性能アップした。観測時の地球〜クレオパトラ間の距離は、1億7100万kmであった。この距離だと、光速でも往復には19分かかる。

画像提供=NASA JPL