ISS向け救命ボート試験機「X-38」の着陸試験が中止
【2000年2月29日 CNN (2000/2/28)】
2月25日にNASAの「X-38」と呼ばれる試験機の着陸試験が予定されていたが、強風のため26日に延期された。そして26日、X-38を翼下に吊り下げたB-52爆撃機がドライデン飛行研究センター(Dryden Flight Research Center)から離陸したが、その後すぐにX-38にショートが発生した。これは全く予期されていなかったトラブルであり、同様のトラブルが再発する恐れから試験は中止され、B-52はX-38を吊り下げたまま帰還した。本来は高度35,000フィート(1万メートル弱)にてX-38を切り離し、X-38はその後ドライデン飛行研究センターに着陸するはずだった。
なお、X-38は国際宇宙ステーション(ISS)向けの救命ボートの実機の1/16スケールの試験機。スペースシャトルと同様に滑空しながら大気圏再突入を行い、その後制御可能なパラフォイル(翼型パラシュート)を展開、ゆっくりと滑空しながら着陸する。着陸には車輪ではなくスキッド(そり)が用いられる。実機では7人の搭乗員を乗せることが可能。
この試験機は1998年3月12日に初飛行に成功し、今後さらに試験を重ねた後、2000年にはスペースシャトルに搭載され、実際に大気圏再突入試験を行う予定になっている。
また、今年2月4日には実機で用いられるものと同様の史上最大のパラフォイル(翼型パラシュート)の展開試験にも成功している。なお、このテストではX-38試験機ではなく実機と同じ重さのおもりが使われた。