重量級の星ぼしが誕生する壮大な眺め
【1999年9月29日 Space Science Update (NASA, STScI)】
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ハッブル宇宙望遠鏡が捉えたかじき座30星雲中心部のカラー合成画像が2枚公開された。上は可視光による画像、下は赤外線による画像である。赤外線は可視光に比べて波長が長いため、星間ダストによる光の吸収をうけにくい。そのため可視光では見ることができなような、星雲中の内部からの光を捉えることができる。
例えば、矢印で示した光は赤外線で見ることではじめて明確にその姿を現わしている。これらの光芒はこれから恒星として輝き始める前の段階の状態にあり、その表面の明るさから推定すると、今後大質量の星に成長することが予想される。こうして輝きだした星からの強烈な光によって周囲のガスやダストが飛散し、高密度なガス塊と相互作用することで次つぎに新しい大質量星が形成されていくのである。
この星雲の中では、直径わずか600光年程度の領域に約1000個もの恒星が存在すると見積もられている。これらの星からの放射圧により、さらに第2、第3世代の星が形成されていく。まさに大質量星からなる星団がつくられていく現場を見ているのである。
<参照>・STScI-PRC99-33 September 29,1999