太陽系外初、7光年彼方の星に水の氷の兆候

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【2014年9月10日 カーネギー科学研究所

今年4月に発見された7.2光年彼方の褐色矮星に、水の氷でできた雲の兆候が検出された。


低温の褐色矮星W0855

低温の褐色矮星W0855のイメージ図(提供:Penn State University/NASA/JPL-Caltech)

うみへび座の方向7.2光年彼方にある褐色矮星WISE J085510.83-071442.5(以下W0855)から、水の氷の兆候が見つかった。この褐色矮星は今年4月にNASAの赤外線衛星「WISE」の観測から見つかったもので、Jacqueline Fahertyさん(米・カーネギー科学研究所)らがチリ・ラスカンパナス天文台で観測調査を行っていた。

褐色矮星とは、あまりにも軽いために核融合ができず、通常の恒星のように輝くことができない天体だ。その温度や質量は、巨大ガス惑星程度のものから恒星に近いものまで幅広い。W0855はどちらかといえば惑星に近く、質量は木星のおよそ3〜10倍、表面温度は地球の北極程度とみられている。

Fahertyさんらによる近赤外線観測データを褐色矮星の大気モデルと照らし合わせた結果、その上空に硫化物と水が凍った雲が存在する兆候が示された。木星や海王星など太陽系内の多くの惑星で水の氷が見つかっているが、太陽系外では初めての例となる。

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