NASA探査機の採取サンプルに太陽系外由来とみられる微粒子

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

【2014年8月15日 NASAカリフォルニア大学バークレー校

NASAの探査機「スターダスト」が地球に持ち帰ったサンプル採取器から、太陽系外からのものとみられる7個の微粒子が見つかった。今後の確認が待たれる。


星間塵とみられる微粒子のX線画像

星間塵とみられる微粒子のX線画像(提供:Anna Butterworth image, UC Berkeley, from STXM data, Berkeley Lab.)

ダスト採取器のエアロゲルに刻まれた粒子の痕跡

サンプル採取器のエアロゲルに飛び込んできた微粒子の痕跡(赤)。惑星間塵に比べて相対速度が速い星間塵は、こうした軌跡を手がかりに取り出され分析される。画像の痕跡を残した微粒子は秒速15kmと特に高速だったために蒸発した。クリックで拡大(提供:UC Berkeley/Andrew Westphal.)

探査機スターダスト

探査機スターダスト(CG)。うちわのような形のサンプル採取器表面のエアロゲルで微粒子をキャッチする。星間塵の採取は彗星物質の採取と反対の面を使って行われた。クリックで拡大(提供:NASA/JPL)

NASAの探査機「スターダスト」が持ち帰ったサンプル採取器から、太陽系外由来とみられる微粒子が7個見つかった。サイズにより組成や構造に違いが見られ、異なる歴史を経てきたようだ。比較的大きいサイズのものは雪のようにふわふわとしたものが多いという。

恒星間空間からやってきた塵を星間塵と呼ぶが、今回見つかった粒子を星間塵と断定するまでには、酸素同位体比の測定などさらなる調査が必要だという。3つの比較的大きい微粒子(数十μm)は硫黄化合物を含むが、これは星間塵にはありえないという意見もある。

だがもし星間塵であることが確定すれば、史上初のサンプルとなる。粒子の捜索と採取はまだ進行中で、まだまだ見つかるかもしれない。星間塵は年老いた巨星の活動や数百万年前の超新星爆発により生成されると考えられているが、その由来や進化をさらに詳しく探る有力な手がかりになると期待される。

1999年に打ち上げられたスターダストは2004年にウィルド彗星(81P/Wild)のコマに突入し、史上初めて彗星物質のサンプル採取を行った。星間塵の採取は2000年と2002年に行っている。2006年にはサンプル採取器が収められたカプセルを地球に投下し、回収された採取器の分析が続けられている。


探査機「スターダスト」の位置と航路

天文シミュレーションソフトウェア「ステラナビゲータ」では、スターダストなど主な探査機の設定日時(運用期間中)における位置や航路を表示することができます。