10億の星を立体地図に 天体位置測定衛星「ガイア」打ち上げ

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【2013年12月20日 ヨーロッパ宇宙機関

欧州の衛星「ガイア」が19日、仏領ギアナから打ち上げられた。今後5年間のミッションで、およそ10億個の恒星それぞれの位置や動き、性質などを調査する。


「ガイア」打ち上げのようす

「ガイア」打ち上げのようす。クリックで拡大(提供:ESA)

観測ミッション中の「ガイア」

天の川銀河の無数の星々を観測する「ガイア」(CG図)。クリックで拡大(提供:ESA/ATG medialab; background: ESO/S. Brunier)

12月19日午後6時12分(日本時間)、仏領ギアナのギアナ宇宙センターから、ヨーロッパ宇宙機関(ESA)の衛星「ガイア」を搭載したソユーズロケットが打ち上げられた。

打ち上げから約1時間半後、「ガイア」はドイツ・ダルムシュタットの管制センターとの通信確立や、遮光シールドを兼ねた太陽電池パネル展開などの始動シーケンスを完了。約20日間で、観測ポイントとなるL2点(太陽から見て地球の背後にある重力安定点)を目指す。

「ガイア」は天の川銀河全体の1%にあたるおよそ10億の恒星を70回前後観測し、1つ1つの位置や動きを測定する。そのデータをもとに、これまでで最も精度の高い星の3D地図が作成されるほか、天の川銀河のこれまでとこれからについてより多くを理解するための知見を得ることができる。

さらに、恒星の位置測定だけでなく、時間をおいた画像を比較することで、超新星や系外惑星、小惑星の新たな発見なども期待されている。