卵を抱くペンギンのようなペア銀河 Arp 142

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【2013年6月28日 ESA/HubbleHubbleSite

銀河の中には、お互いの接近衝突により面白い形に変形して見えるものがあり私たちの目を楽しませてくれる。3億光年彼方にあるArp 142もそのひとつ。卵とそれを抱くペンギンのようにも見えるユニークな姿だ。


可視光と赤外線でとらえたArp 142

可視光と赤外線でとらえたArp 142。画像上部に見える2つの恒星と銀河、またNGC 2936(ペンギン)の下部に小さく見える銀河は、手前または背景にある無関係の天体だ。クリックで拡大(提供:NASA, ESA, and the Hubble Heritage Team (STScI/AURA))

卵を抱くペンギンのようにも見えるこの画像は、ハッブル宇宙望遠鏡がとらえた2つの銀河の姿だ。

うみへび座の方向約3億3000万光年彼方にあり、“ペンギン”にあたる銀河NGC 2936が、“卵”にあたる銀河NGC 2937の重力に引っ張られてゆがんだ形になっている。2つをあわせてArp 142とも称され、1960年代に米天文学者Halton Arpさんが作った、特異な形状の銀河ばかりを集めて紹介したカタログに掲載されている。

NGC 2936の中でもっとも明るい、ペンギンの「目」にあたる部分が、かつてきれいな渦巻型をしていたであろう銀河の中心核(バルジ)だ。このバルジを中心に伸びていた腕が楕円銀河NGC 2937の重力で湾曲し、中に含まれるガスや塵からの星形成が誘発される。そうして生まれた若い星たちの青い輝きを、この画像にも見ることができる。

NGC 2937は、卵のような見た目とはうらはらに、ガスと塵をほとんど残さない古い楕円銀河だ。年老いた星たちが赤みを帯びた光を放っている。

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