銀河で作るVサイン

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【2013年2月19日 NASA

床に寝転がって作る人文字のように、2つの銀河が描く「V」の字が存在する。実際に衝突しているこの天体の詳細な姿を、ハッブル宇宙望遠鏡がとらえた。


IC 2184

ハッブルがとらえたIC 2184。クリックで拡大(提供:ESA/Hubble & NASA)

IC 2184の位置

IC 2184(緑の十字)のあるきりん座は、明るい星がなく目立たない星座だ。図は2月中旬夜10時ごろ。クリックで拡大(ステラナビゲータで作成)

画像に見られるVの字の正体は、「IC 2184」という天体だ。北天の星座きりん座の方向に位置している。2本の光の筋のように見えるのはそれぞれ、ほぼ真横から見た2つの銀河だ。

周囲には、お互いの重力の影響でそれぞれの銀河の外縁から引き出されたガスや塵、星々が、宇宙空間に向かって尾のように伸びている。こうした尾はカーブを描くものだが(参考:2009/10/19 ハッブルがとらえた、2つの尾が伸びる銀河)、この銀河は真横からの視点なので直線状に見えている。

青く輝いているのは、ガスの雲が衝突して星が次々と生まれる高温の領域だ。