月探査機「かぐや」後継は2017年打ち上げ目標

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【2012年7月18日 Asian Scientist

アポロ11号打ち上げ記念日の前日となる15日、インドで行われた宇宙科学会議で、日本の次期月探査ミッション「SELENE-2」の計画状況について発表が行われた。2017年の打ち上げを目標とする着陸ミッションで、将来の有人月探査の布石ともなるという。


月周回衛星「かぐや(SELENE)」

月周回衛星「かぐや(SELENE)」。次期月探査計画では月面着陸と探査車の運用を目指す。クリックで拡大(提供:JAXA)

国際宇宙科学研究委員会(Cospar)の第39回科学会議がインドのマイソールで開催され、74か国から3,000人近くの宇宙科学者が集まった。

JAXAの岡田達明氏は、2007年〜2009年に月探査を行った「かぐや」(SELENE)の後継機「SELENE-2」のプランを語った。

2017年の打ち上げを目標とする「SELENE-2」は、着陸船と探査車で構成される。700kgの周回機と200kgまで積載可能な1tの着陸機、100kgの探査車を想定しており、活動期間は2週間だ。着陸候補地としては、アポロ14号が着陸した場所など11箇所が考慮されている。

また韓国の代表者によれば、韓国も探査車にX線分光装置を搭載するという形で「SELENE-2」に参加する予定だという。さらに同国では2023年の月周回機、2030年にはサンプルリターンを計画しており、将来的には火星探査も視野に入れているという。

「SELENE-2」は将来の有人月探査にもつながる。「SELENE-2は未来の有人探査に必要となる重要技術を開発し、試験するための計画です。有人探査のための先駆的な多目的ミッションなのです」(岡田氏)。

発表後のAsian Scientist誌へのコメントによれば、有人月探査はNASAとの共同計画になるとのことだ。「ロケットと着陸船はNASAで製作し、日本の宇宙飛行士が搭乗します。日本人宇宙飛行士による科学探査と月面利用が行われるでしょう」。岡田氏は、日本政府が月探査の重要性を認識していることを強調しながらも、予算問題で延期される可能性も排除できないと語った。

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