エクリプスナビゲータ Ver.2・2.5 アップデータを無償公開
かすり日食に対応、日食図の表示を刷新

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【2012年4月24日 アストロアーツ】

日食シミュレーションソフト「エクリプスナビゲータ Ver.2」がアップデート。2012年5月21日に見られる金環日食の再現で「かすり日食」に対応して、日食図の表示も刷新したVer.2.5へのアップデータを無償公開しました。


金環日食の醍醐味は、リングが月の凹凸で途切れて見えるベイリーズビーズです。今回のアップデータでは、このベイリービーズの再現に徹底的にこだわりました。月周回衛星「かぐや」の観測に基づく月縁データが付属しており、高精度で「かすり日食」(※)を再現します。「かすり日食帯」と呼ばれる、ベイリーズビーズを数十秒間見ることができる場所を地図上に表示することもできます。

かすり日食の限界線をGoogle EarthやGoogleマップで表示して正確な観測地点を調べられますので、エクリプスナビゲータ2.5を使って金環日食の準備を万全にしましょう。

※ かすり日食とは

通常は月の輪郭を円形と仮定して金環食帯が通る場所を求めますが、実際の月縁には山や谷が存在するため、金環食のリングがつながって見えるぎりぎりの地点は、月縁を円として求めた金環食帯の縁(限界線)よりも数km程度ずれた位置になります。エクリプスナビゲータ2.5 ではこの「月縁の凹凸を考慮した限界線」を表示することができます。

「月縁の凹凸を考慮した限界線」のすぐ外側では「部分食でも金環食でもない状態」の太陽を見ることができ、これを特に「かすり日食」と呼ぶことがあります。かすり日食では、金環食のリングが月縁の山で途切れて数珠状に連なる「ベイリーズビーズ」という現象が月縁に沿って回るように数十秒間程度続きます。

かすり日食について詳しくはエクリプスナビゲータ Ver.2 製品ページの「2.5で機能追加された点」をご覧ください。

(日食帯を表示した画像)

金環日食の日食図を表示。金環帯は日出時に食が最大になる線から始まり、擬本影(小さな水色の円)の外側には半影が広がり、部分食が見られる地域がわかる。クリックで拡大

また、地図画面に半影の輪郭や部分食帯の限界線、日出・日没時に日食が始まる/終わる線、昼夜境界線など多くの表示が追加され、日食の進行がよりわかりやすく表示されるようになりました。さらに、2042年までの皆既・金環日食の日食要素が追加されました。その他、ユーザーインターフェイスも改善されています。


(地図、拡大、天空、時刻表、カウントダウン 各ウィンドウの画像)

地図、拡大、天空、時刻表、カウントダウンの各ウィンドウ。クリックで拡大

「エクリプスナビゲータ Ver.2」は、日食にかかわるあらゆる現象を高精度に再現する日食観測専用ソフトです。日食図を表示する「地図」や日食の進行をリアルなグラフィックで再現する「拡大表示」、各接触時刻までの残り時間を表示・読み上げできる「カウントダウン」など、6つのウィンドウを組み合わせて表示し、日食の状況を総合的に把握できます。

「エクリプスナビゲータ Ver.2」では国立天文台またはNASAが公開している最新の日食要素(ベッセル要素)を用いて食の計算を行い、天文シミュレーションソフト「ステラナビゲータ」と比べて1桁以上高い精度で日食をシミュレーションします。月縁の形状の影響を補正する機能も搭載され、接触時刻を高い精度で計算したりダイヤモンドリングやベイリーズビーズの形状を正確に再現することができます。

エクリプスナビゲータ Ver.2用「2.5アップデータ」のダウンロードは「エクリプスナビゲータ Ver.2.5 アップデータ」のページより行ってください。すべてのユーザの皆様にダウンロード、アップデートしていただくことをお勧めいたします。

《おもな修正内容》

  • 金環日食のベイリーズビーズをよりリアルに再現。
  • 地図に月縁の凹凸を考慮したかすり日食の限界線を表示。
  • 半影の輪郭、部分食帯の限界線、日出没線、昼夜境界線、食分最大地点などを表示。
  • 各ウィンドウの右クリックで設定ダイアログを開く機能を追加。
  • USB接続のGPS受信機(GARMINプロトコル)に対応。
  • 2042年までの皆既・金環日食の日食要素を追加。

(詳しい修正内容の一覧は、「エクリプスナビゲータ Ver.2.5 アップデータ」のページより「リリースノート(修正機能一覧)」をご参照ください。)