先陣を切る「リアル派」 20世紀FOX「はやぶさ」映画が1日から公開

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【2011年10月3日 アストロアーツ】

多くの人々が感動した小惑星探査機「はやぶさ」の軌跡を描く劇場映画「はやぶさ/HAYABUSA」(20世紀フォックス)が、1日から全国で公開中だ。実際のプロジェクトを細部まで忠実に追う「完全コピー」指向で、本物のドラマを追体験させてくれる。


「はやぶさ/HAYABUSA」の一シーン

劇中に登場するはやぶさ運用チーム。プロジェクトマネージャーの川口淳一郎氏(劇中役名は川淵幸一)を演じる佐野史郎(右から2人目)は、川口氏のVTRを見てしぐさを研究したとか。クリックで拡大(© 2011「はやぶさ/HAYABUSA」フィルムパートナーズ)

当時の「星ナビ」も登場

アストロアーツ「星ナビ」編集部も撮影小物に協力。JAXA対外協力室の書架に当時の「星ナビ」が登場している。

相次いで3本制作される「はやぶさ」劇場映画のうち、この20世紀フォックス版は「完コピ」指向が売りだ。「トリック」シリーズなどの堤幸彦監督は、「はやぶさに関わった方たちに最大限の敬意を払いたい」という思いから、実在の人物からセットの細部にいたるまで完全な再現を目指している。

プロジェクトマネージャーの川口淳一郎氏(佐野史郎)や対外協力室室長の的川泰宣氏(西田敏行)など、はやぶさ・JAXAファンにはおなじみの人々も服装やしぐさなどを徹底的に似せ、撮影は実際のプロジェクト運用の舞台となったJAXA相模原キャンパスで関係者の監修のもと行われた。

映画の中心となるのは竹内結子演じる運用・広報スタッフの水沢恵で、劇中ほぼ唯一の架空人物だ。彼女の研究者としての成長を軸に「はやぶさ」の7年間を描いた映画となっている。

「はやぶさ」の最後を現地で見届けた一人、写真家の飯島裕さんは「はやぶさの7年間を1本の映画で振り返るには、じつに好適な作品に仕上がっている」と評する(10月5日発売の「月刊星ナビ」11月号)。「はやぶさ」プロジェクトの軌跡や数々のエピソードをチェック済みという筋金入りのファンは、運用チームの様子を映像で追体験し、あまりよく知らないという人達にはまず基本的な流れを抑えてもらう。その意味でも先陣を切るにふさわしいリアル派な一作といえるだろう。

「はやぶさ」を描いた映像作品の先駆けとなったのは、2009年からプラネタリウムや科学館で投映され大好評となった全天周映画「HAYABUSA - BACK TO THE EARTH -」で、今年5月には劇場版も公開された。劇場用制作映画としては「はやぶさ/HAYABUSA」のほか、2012年2月には「はやぶさ 遥かなる帰還」(東映・瀧本智行監督・渡辺謙主演)、同3月には「おかえり、はやぶさ」(松竹・本木克英監督・藤原竜也主演)が公開予定となっている。

《映画「はやぶさ/HAYABUSA」》

日本だけでなく世界を感動させた小惑星探査機「はやぶさ」の、7年間にわたる挑戦と苦闘の日々の物語にもとづき描き出す物語。

竹内結子が演じる主人公、恵は宇宙科学研究所(当時)のスタッフとしてこの偉業の一端を担い、自らの生き方も見つめなおす若き女性研究生。そんな彼女を研究スタッフ兼広報要員としてスカウトする上司を西田敏行が演じ、研究者としての恵を鍛える先輩を高嶋政宏が演じる。

■ 監督:
堤幸彦
■ 出演:
竹内結子、西田敏行、高嶋政宏、佐野史郎、山本耕史、鶴見辰吾、ほか
■ 配給:
20世紀フォックス
■ 協力:
JAXA

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