すばる望遠鏡が冷却液漏れで観測中止

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【2011年7月6日 すばる望遠鏡

7月2日に米・ハワイ島にあるすばる望遠鏡で障害が発生し、観測利用が中止となっている。主焦点部から漏れ出した冷却液が観測装置に付着したためで、現在、状況把握と修復に向けての検討が行われている。


すばる望遠鏡の概略図

すばる望遠鏡の概略図。主焦点部から漏れた冷却液は、その下にある望遠鏡底部の主鏡やその裏面にまで及んだ。クリックで拡大(すばる望遠鏡ウェブサイトより。© MBTA Corporation Japan #150132)

オレンジ色の冷却液が付着した主鏡

オレンジ色の冷却液が付着した主鏡表面。主鏡に関しては、冷却液が鏡材を損なうことはなく、水洗いなどで対処可能とのことだ。クリックで拡大(提供:国立天文台)

米・ハワイ島にある国立天文台ハワイ観測所のすばる望遠鏡で7月2日早朝(現地時間)、観測終了作業中に主焦点周辺光学系システムからの誤動作信号が検出された。

同望遠鏡の技術部門スタッフが確認したところ、望遠鏡上部の主焦点付近から冷却液(自動車の不凍液としても使用されているエチレングリコールと、水との混合液体)が漏れ出しており、冷却液の供給がただちに停止された。

冷却液は望遠鏡上部から主鏡、主鏡の裏面支持機構部の一部、第3鏡、カセグレン焦点の微光天体分光撮像装置(FOCAS)および周辺光学装置、さらには観測床を通じてその床下など広範囲に及んだ。FOCAS内部への浸水も起こっているという。

大部分の冷却液は当日の作業で清掃・回収されたが、一部の光学系、制御用電子回路板、観測装置内部など処置の難しい箇所については作業開始に至っていない。

同観測所では現在、液体付着による各機器の機能への影響や必要な修復作業などの確認を行っており、夜間観測や見学プログラムが一時的に中止されている。

1992年7月6日の起工式から今日で19年目を迎えるすばる望遠鏡は、標高4,200mのハワイ島マウナケア山頂に建設され、1999年に観測開始した。口径8.2mの主鏡は、単一鏡としては世界最大級を誇る。