「はやぶさ」プロジェクトチームがフォン・ブラウン賞を受賞

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【2011年5月24日 宇宙科学研究所

小惑星探査機「はやぶさ」プロジェクトチームが、アメリカ宇宙開発の祖にちなんだ「フォン・ブラウン賞」を受賞した。史上初の太陽周回天体表面への往復と試料の帰還に成功したことを評価されたものだ。


(フォン・ブラウン賞を手にする川口プロジェクトマネージャらの画像)

(左から)授賞式に出席した上杉氏、John Strickland氏、上森氏、川口氏、John Mankins氏、松尾氏。クリックで拡大(提供:宇宙科学研究所)

5月20日、米アラバマ州ハンツビルで開催された「第30回国際宇宙開発会議」で、小惑星探査機「はやぶさ」のプロジェクトチームにフォン・ブラウン賞が贈られた。初の太陽周回天体表面への往復と試料の帰還に成功したことによるものだ。

賞の名の由来となっているヴェルナー・フォン・ブラウン博士は、旧ドイツから渡米しアポロ計画を実現させた人物として知られる。1970年に日本初の人工衛星「おおすみ」が打ち上げに成功して間もない1971年には、鹿児島宇宙空間観測所(内之浦)を訪れ、糸川英夫博士と対談を行ったこともある。

同会議のガラ(祝祭典)にて行われた授賞式では、「はやぶさ」プロジェクトマネージャの川口淳一郎氏が、上杉邦憲氏、松尾弘毅氏、上森規光氏とともにフォン・ブラウン博士のフェリー・ロケットとサターンVを象った賞を手にした。

川口氏は宇宙科学研究所のウェブサイト上(下記〈参照〉リンク先)で、小惑星イトカワへの着陸・離陸後に「はやぶさ」が通信途絶となっていた折にも「たとえ帰還できないとしても、『はやぶさ』ミッションの類まれなる革新性は、挑戦的で創意あふれる宇宙技術の灯を掲げるという重要なものを地球にもたらす」(概略)と称賛したアメリカの論評を紹介し、「挑戦することこそを評価していただいたと思う」と述べている。

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