最多6個の惑星系「ケプラー11」を発見、系外惑星候補も1200個以上見つかる

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

【2011年2月3日 (1)(2)

NASAの系外惑星探査ミッション「ケプラー」で、これまでで最多タイとなる6つの惑星を持った惑星系「ケプラー11」が発見された。太陽と同タイプ・質量の中心星にも関わらず、はるかに内側に惑星が密集しているという点も興味深い。


Kepler-11惑星系の概略図

ケプラー11惑星系を太陽系と比較した概略図。クリックで拡大(提供:NASA/Tim Pyle)

2月1日、NASAの宇宙望遠鏡による系外惑星探査ミッション「ケプラー」の成果報告が行われ、恒星「ケプラー11」の周りに6つの惑星を確認したことが発表された。これは「HD 10180」と並ぶ史上最多のものだ。

ケプラー11は、はくちょう座の方向2,000光年の距離にある、太陽に近い質量・タイプの恒星だ。6つの惑星はいずれも地球より大きく、最大のものは海王星や天王星サイズという。内側を回るケプラー11bからケプラー11fまでの5つが、太陽から水星までの距離よりも近いところを10〜47日周期で公転している。最も遠いgでも金星よりも近く、公転周期は116日だ。

内側の5つの惑星は岩石とガスの混合体で、水を含む可能性もあるという。またこのうち、d、e、fはほとんど軽いガスからできているとみられており、惑星系のごく初期のうちに、中心星の周りに存在していた原始惑星系円盤のガスをいち早く集めて形成されたものと考えられている。

この発見は、2009年5月〜9月の観測データに基づいたものだ。この惑星系の観測は今後も継続されるため、7番目の惑星が発見されるかも知れない。

今回の発表ではこの他に、数百の惑星候補の発見についても報告されている。そのうちの5つが「ハビタブルゾーン」(中心星からの距離がちょうどよく、生命に適した範囲)に存在する地球サイズのものだ。「ケプラー」ミッションでこれまでに見つかった惑星候補は1235個にのぼり、そのうち地球サイズのものが68個、地球より大きいものが288個、海王星サイズのものが662個、木星サイズが165個、それ以上のものが19個となっている。


NASAサイトで、自分だけの惑星を作ろう

先ごろNASAのウェブページでは、お好みの惑星を作ってシミュレーションすることができるサイト「Extreme Planet Makeover」が公開された。中心星からの距離、惑星の大きさ、タイプ、年齢を調整するだけで簡単に設定できる。星からの距離を小さくすると惑星の表面が干上がり、大きくすると凍りついてしまうといったインタラクティブな表示で、楽しみながら惑星の環境条件について学べる面白い仕掛けになっている。ある条件に設定すると生命が誕生し、やがて人間が…という隠しイベントがあるかどうかは今のところ未確認だ。


ステラナビゲータで系外惑星の位置を表示

ステラナビゲータでは、420個を超える「惑星の存在が確認された恒星」を追加天体として「コンテンツ・ライブラリ」で公開しており、ケプラー11(中心星)が存在する方向を星図に表示できます。ステラナビゲータをご利用の方は、ステラナビゲータの「コンテンツ・ライブラリ」からファイルをダウンロードしてください。

〈参照〉

〈関連リンク〉

〈関連ニュース〉