新発見の彗星は「池谷・村上彗星」と命名

【2010年11月5日 アストロアーツ】

池谷薫さんと村上茂樹さんが先日発見したC/2010 V1彗星が、新たな彗星の出現であることが確認され「池谷・村上彗星」と命名された。この彗星は現在、明け方の東の空でおとめ座付近に見ることができる。


11月5日朝の池谷・村上彗星

2010年11月5日4時48分(日本時)に撮影した「池谷・村上彗星」(中央)。右側は7等級の恒星。クリックで拡大(提供:門田健一氏/埼玉県上尾市/25cmF5反射+冷却CCD)

静岡県の池谷薫さんと新潟県の村上茂樹さんがそれぞれ11月3日と4日(日本時)に反射望遠鏡による眼視捜索で発見したC/2010 V1彗星が、「池谷・村上彗星」と名付けられた。池谷・関彗星(C/1965 S1)や池谷・張彗星(153P)などで知られる池谷さんにとって、自身の名を冠した彗星はこれが7個目。村上さんはスナイダー・村上彗星(C/2002 E2)に次いで2個目となる。

画像は、11月5日朝に撮影された「池谷・村上彗星」。撮影者の門田氏によると「強く集光して淡いコマが広がった形状は、2007年のホームズ彗星(17P)のアウトバースト(突発的な急増光)後に似ている」という。

彗星は、11月4日ごろには眼視により8等前後の明るさで観測されている。今後は、明け方のおとめ座を南東方向に移動しながら少しずつ減光すると予測されているが、アウトバースト直後である可能性があり、光度と形状の変化が注目されている。


池谷・村上彗星の位置(ステラナビゲータ Ver.9で作成)

池谷・村上彗星の位置を天文シミュレーションソフトウェア「ステラナビゲータ Ver.9」で表示して確認できます。ご利用の方は、ステラナビゲータを起動後、「データ更新」を行ってください。

池谷・村上彗星(C/2010 V1)の暫定軌道要素

近日点通過2010年10月18.817日
近日点距離1.71541AU
離心率1.0
近日点引数155.076度(J2000.0)
昇交点黄経5.844度(J2000.0)
軌道傾斜角8.913度(J2000.0)

<参照>

  • MPEC V46: COMET C/2010 V1 (IKEYA-MURAKAMI) (2010 Nov. 4)
  • IAUC 9176: COMET C/2010 V1 (IKEYA-MURAKAMI) (2010 Nov. 4)
  • 国立天文台 メールニュース
    • No.19(2010年11月9日発行)
      • 池谷さんと村上さんが新彗星を発見

<関連リンク>

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