板垣さん、年の瀬にも超新星を発見、2009年の発見数は12個に

【2010年1月1日 VSOLJニュース(231)】

新天体捜索者の板垣公一さんが、2009年の年の瀬(世界時12月29日)に、おとめ座の渦巻銀河NGC 5491に超新星2009nkを発見された。板垣さんは2009年12月だけで3個の超新星を発見されたことになる。板垣さんによる2009年の超新星発見数は12個、通算では56個となった。


VSOLJニュースより

(著者:山岡均さん(九大理))

((左)2005年5月のNGC 5491の画像と(右)超新星2009nkの発見画像)

(左)2005年5月のNGC 5491の画像と(右)超新星2009nkの発見画像。クリックで拡大(提供:板垣公一氏)

(門田健一氏撮影の確認画像)

門田健一氏撮影の確認画像。クリックで拡大(提供:門田健一氏)

精力的な天体捜索者である山形市の板垣公一(いたがきこういち)さんが、超新星2009md(VSOLJニュース 228)、超新星2009mh(VSOLJニュース 229)に続いて、今月自身3個目となる超新星を発見されました。年の瀬もものともしない活躍です。

板垣さんは、12月29.868日(世界時、以下同様)に撮影した画像から、17.0等の光点を見つけました。その位置は以下のとおりで、おとめ座の渦巻銀河NGC 5491の中心核から東に20秒角、南に6秒角の位置にあたります。

  赤経  14時10分58.72秒
  赤緯 +06度21分47.9 秒 (2000年分点)
  NGC 5491の周辺星図と、DSS画像に表示した超新星

天体は、埼玉県上尾市の門田健一(かどたけんいち)さんによって確認され、超新星2009nkの符号が付けられました。

銀河の距離を考えると、この天体は現在、重力崩壊型超新星の極大のころの明るさに相当します。今後の分光タイプの確認や光度変化追跡が楽しみです。


超新星2009nkの位置

この天体を天文シミュレーションソフトウェア「ステラナビゲータ」で表示して位置を確認できます。ご利用の方は、ステラナビゲータを起動後、「データ更新」を行ってください。

また、新しいデータや番組を入手できる「コンテンツ・ライブラリ」では、簡単にダウンロードして星図に一覧表示できる「板垣さんが発見された超新星」と「日本人が発見した超新星」も公開しています。あわせてお楽しみください。

<参照>

  • VSOLJニュース(231): 年の瀬にも超新星発見
  • CBET 2102: SUPERNOVA 2009nk IN NGC 5491 (2009 Dec. 30)

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