LRO、アポロ着陸地点をとらえる

【2009年7月29日 NASA

NASAの月探査機ルナー・リコナサンス・オービター(LRO)が、アポロ計画で宇宙船が着陸した地点を撮影し、今も残る着陸機の一部などをとらえた。


(LROがとらえたアポロ14号の着陸地点の画像)

LROがとらえたアポロ14号の着陸地点。矢印は左から、科学機器、宇宙飛行士の足跡、着陸機アンタレスの下降段とその影。クリックで拡大(提供:NASA)

(LROがとらえたアポロ11号、15号、16号、17号の下降段の画像)

LROがとらえたアポロ宇宙船の下降段。クリックで拡大(提供:NASA)

月探査機ルナー・リコナサンス・オービター(LRO)は6月23日に月周回軌道に入った。現在、最終的な観測軌道に入るために調整中だ。そんな中、7月11日から15日にかけてアポロ11号、14号、15号、16号、17号の着陸地点が相次いで撮影された。残るアポロ12号の着陸地点も数週間以内に撮影される見込みだ。

LROから届いた画像には、低い角度から射す太陽光によって着陸機の下降段(着陸機の脚を含む下半分)が長い影を落としており、その位置をはっきりと確認することができる。

LROのカメラの主任研究員をつとめる、米・アリゾナ大学のMark Robinson氏は、「宇宙船の下降段を見るのはかなり興味深いものがありましたが、カメラがピントを合わせられるか確認する必要がありました。実際、画像はすばらしく、ピントに問題はありませんでした」と話している。

LROの画像は、宇宙探査の過去を思い起こさせてくれるだけではない。今後送られてくる画像を含めた一連のデータは、将来の月面探査に向け、より安全な着陸地点の選択や利用可能な資源のありかを探すためなどに役立てられる。