ディスカバリー号の打ち上げ、また延期

【2009年2月23日 JAXA プレスリリース

NASAは、若田光一さんが搭乗するスペースシャトル「ディスカバリー号」(STS-119/国際宇宙ステーション組立ミッション(15A))の打ち上げについて、水素ガス加圧ライン流量調節弁(FCV)の安全確認に関わる作業を米国時間2月25日(水)まで続け、打ち上げ日については改めて設定することを発表した。


(水素ガス加圧ライン流量調節弁の画像)

水素ガス加圧ライン流量調節弁(FCV)の役割。クリックで拡大(提供:JAXA・国際宇宙ステーションの組立フライト 15A(STS-119)ウェブページより、以下同様)

(STS-126ミッションで発生したポペット弁の損傷の画像)

STS-126ミッションで、スペースシャトル「エンデバー号」に発生したポペット弁の損傷(SSME:スペースシャトルメインエンジン、ET:外部燃料タンク)。クリックで拡大

若田さんが搭乗するスペースシャトル「ディスカバリー号」の打ち上げがまた延期となった。再三にわたる延期には、重要な理由がある。

実は、昨年11月に実施されたSTS-126(ULF2)ミッションで、スペースシャトル「エンデバー号」に搭載されていた同装置が異常を起こし、水素ガスを流しすぎるという事態が起こっていたのである。その後の検査で、装置内のポペット弁(開閉により水素ガスの流量を調節する弁)が損傷していることが明らかとなった。

FCVは、スペースシャトルのメインエンジンから外部燃料タンクへ供給する水素ガスの量を調整して、液体水素タンク内の圧力を一定に保つ。FCVが損傷すれば、外部燃料タンクの減圧、メインエンジンの停止などの事態が心配されるため、慎重な解析と確認作業が必要とされている。

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