埼玉県の市村さん、やや明るい超新星を発見

【2008年11月25日 VSOLJニュース(203)】

埼玉県の市村義美さんが、くじら座の銀河MCG -01-2-15に超新星2008hiを発見された。市村さんの超新星発見は今年2個目で、通算4個目となる。


VSOLJニュースより

(著者:山岡均さん(九大理))

冬型の気候となり、これからの季節は太平洋側ではよく晴れることが多くなりそうです。そんななか、埼玉県比企郡吉見町の市村義美(いちむらよしみ)さんが、明るめの超新星を発見されました。市村さんは、今年はじめの超新星2008A(VSOLJニュース188)をはじめ、これまでにも超新星や彗星を発見してこられたベテラン捜索者です。

市村さんは、28cmシュミット・カセグレン反射望遠鏡で11月21.54日(世界時、以下同様)に撮影した画像で15.2等級の新天体に気付き、翌22.574日に確認しました。同じく22.358日に確認観測を行った山形市の板垣公一(いたがきこういち)さんが求めた天体の位置は、

  赤経: 00時26分43.16秒
  赤緯:-03度35分55.3 秒 (2000年分点)
  MCG -01-2-15の周辺星図と、DSS画像に表示した超新星

です。母銀河は、うお座とくじら座の境界付近にある銀河MCG -01-2-15で、発見報告を受けた兵庫県洲本市の中野主一(なかのしゅいち)さんの測定では、中心から西に8秒、南に3秒ほどになります。

この銀河に典型的なIa型超新星が出現すると、極大では14.5等級ほどになると期待されます。今後のスペクトル型決定が楽しみです。


超新星2008hiの位置

この天体を天文シミュレーションソフトウェア「ステラナビゲータ」で表示して位置を確認できます。ご利用の方は、ステラナビゲータを起動後、「データ更新」を行ってください。

また、新しいデータや番組を入手できる「コンテンツ・ライブラリ」では、簡単にダウンロードして星図に一覧表示できる追加データ「日本人が発見した超新星」も公開しています。あわせてお楽しみください。

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