フェニックスがとらえた火星の物質、ほぼ氷に間違いなし

【2008年6月20日 JPL

NASAの火星探査機「フェニックス」が掘り起こした土壌の写真から、サイコロほどの大きさの塊が数日のうちに消えてなくなっていたことが明らかとなった。物質の塊は地表に露出したために蒸発したと考えられ、どうやらこれが水の氷であることはほぼ間違いないようだ。


(6月15日の土壌の画像) (18日の土壌の画像)

6月15日(上)と18日(下)にとらえた土壌。円で囲まれた部分の塊のうち数個が消えてなくなったことがわかる。クリックで拡大(提供:NASA/JPL-Caltech/University of Arizona/Texas A&M University)

探査機フェニックスが掘った跡を撮影した6月15日(米国東部時間、以下同様)の写真に、氷か塩ではないかと思われる物質の塊がとらえられた。

その後6月18日、画像に写っていたサイコロほどの大きさの塊が、消えてなくなったことが明らかとなった。

消えた物質は水の氷であり、掘り起こされて露出したために蒸発したと考えられている。

フェニックスの主任研究員を務める米・アリゾナ大学のPeter Smith氏は、「これは氷に間違いありません。小さな塊は、数日のうちに完全に消えてしまいました。氷である完璧な証拠です。当初、明るい色をした物質については、塩ではないかという疑いもありましたが、塩ではこのようなことは起こりません」と話している。

さらにその後、別の場所を掘ったフェニックスのロボットアームが硬い層に触れたことが確認されている。これは新たな氷の層である可能性が高く、研究者らは興奮を隠せないようだ。