国際ガンマ線天文衛星「GLAST」、まもなく打ち上げ

【2008年6月10日 NASA GLAST広島大学

NASAは、国際ガンマ線天文衛星「GLAST」の打ち上げを米国東部夏時間(以下同様)の6月11日(日本時間6月12日)に実施すると発表した。「GLAST」は日本を含む6か国による国際共同プロジェクトで開発された衛星で、ブラックホールやガンマ線バーストなど宇宙でもっとも高いエネルギーを伴う現象の観測を目的としている。


(観測を行う国際ガンマ線天文衛星GLASTの想像図)

観測を行う国際ガンマ線天文衛星「GLAST」の想像図。クリックで拡大(提供:NASA/Sonoma State University/Aurore Simonnet)

NASAは、国際ガンマ線天文衛星「GLAST」を6月11日午前11時45分(日本時間6月12日午前12時45分)に米・フロリダ州のケープカナベラル空軍基地から打ち上げることを発表した。

GLASTは、米、日、伊、仏、スウェーデン、独の6か国による国際共同プロジェクトによって開発された国際ガンマ線天文衛星である。

GLASTの主たる観測機器である「ガンマ線大面積望遠鏡(LAT)」には、広島大学の研究者によって開発された半導体センサー(大面積半導体シリコンストリップセンサー)が使用されている。

NASAのガンマ線観測衛星といえば、2004年に打ち上げられたGRB観測衛星スウィフトが現在も活躍している。スウィフト、GLASTともに、ガンマ線バーストの観測を行う点は同じであるが、観測の方法が異なる。

スウィフトは、数秒から数分で消えてしまうガンマ線バーストをピンポイントで検出して、瞬時にその方向を向いて残光の観測を行う。それに対してGLASTは、高感度、広視野、高位置分解能が特長で、その観測の目は一度に全天の20パーセントを見つめ、3時間あれば全天をカバーする観測を終えることができる。また、多数の天体の連続観測も可能である。

打ち上げ後、GLASTは地球の上空約560kmの軌道を回りながら、5年間にわたり、ガンマ線バーストやブラックホール、中性子星、活動銀河核、超新星残骸など、宇宙でもっとも高いエネルギーを伴う現象の観測を行う。

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