【新製品情報】ライブビュー機能などが進化したオリンパスE-520発売

【2008年6月5日 アストロアーツ】

5月29日、「オリンパスE-システム」の新モデルとしてE-520が発売された。オリンパスのデジタル一眼レフカメラ3機種のうち中位機種で、幅広い層にアピールする数々の機能を備えている。液晶モニタの大きさや品質が向上している点などは、天体撮影用途としても注目したい。


オリンパス E-520の写真

オリンパスE-520。装着されているレンズはダブルズームキットのレンズのひとつ「ZUIKO DIGITAL ED 40-150mmF4.0-5.6」。クリックで拡大(提供:オリンパスイメージング株式会社)

オリンパスE-520は、2007年6月に発売されたE-510の後継機として位置づけられる小型・軽量なデジタル一眼レフカメラ。1,000万画素LiveMOSセンサーと画像処理エンジン「TruePicIII」により高画質を実現し、ボディー内手ぶれ補正機構や、人物の顔検出と連動して顔や背景の露出を最適にコントロールする「フェイス&バックコントロール」などを搭載している。新機能の目玉は、エントリーモデルのE-420でも搭載されていた「ハイスピードイメージャAF」の採用で、これはコントラスト検出方式を用いたオートフォーカス方式のライブビュー機能。一眼レフでありながら、コンパクトデジタルカメラで液晶モニタを見ながら撮影する感覚に一歩近づいたといえる。

天体撮影においてはピント確認のしやすさが使い勝手を左右する大きな要素であるが、E-520はボディ背面に2.7型という大きめの液晶モニタを備えて登場した。このサイズは同社のデジタル一眼レフカメラ3機種のうち最大で、液晶の表示品質も前モデルより向上している。ライブビュー表示は7倍、10倍と拡大可、連続使用時間に制限はない。同梱のビデオケーブル経由で接続することにより、テレビの画面にライブビューを表示して撮影するといった使い方もできる(パソコンでのライブビュー表示は不可)。

SSWF(超音波防塵フィルター)が自動的に作動して撮像センサーに付着したゴミを落とすオリンパス独自のダストリダクションシステムは、カメラの起動時だけでなくライブビューに切り替えた際にも作動する。天体望遠鏡に装着しての撮影ではホコリが侵入しやすいこともあるが、ある程度の安心感を得られるだろう。

ミラーアップ後、少し時間を空けてシャッターが切れる低振動モード(1〜30秒から選択可能)や、シャッター速度の低速側を60秒まで設定できる点などは、天体撮影においても気が利いた仕様だ。バルブの露出時間に関しては無制限ではなく、リミッターが作動するようになっている。初期設定では最長8分までとなっているが、カスタムメニューからBULBリミッターの設定を変えることで最長30分まで可能となる。画像のざらつき感を抑えるには感度を低めに設定して適正な露出時間で撮影するのがよいだろう。また、細かい点であるが、従来の「ノイズリダクション」は「長秒時ノイズ低減」という表記に改められ、「ノイズフィルター」は「高感度ノイズ低減」という誤解の少ない表記に変更されている。

手ぶれ補正機構は通常の天体撮影では無用の機能だが、「オリンパスE-システム」のレンズでなくても焦点距離を入力すれば補正効果が得られるようになったので、小型の天体望遠鏡を装着して手持ちで月を撮影するような場合には有用だ。

実売価格はボディのみ8万円程度。交換レンズ「ZUIKO DIGITAL ED 9-18mmF4.0-5.6」も同時発表されている。

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