野口聡一さん、第20次国際宇宙ステーション長期滞在搭乗員に

【2008年5月14日 JAXANASA

NASAおよび国際宇宙ステーション(ISS)計画に参加しているカナダ・欧州・日本・ロシアなどの各国宇宙機関は、ISSの第20次長期滞在搭乗員に野口聡一さんを、そのバックアップ搭乗員に古川聡さんを選出した。


ISSに長期滞在する日本人宇宙飛行士は、昨年2月に若田光一さんが第18次長期滞在搭乗員として選出されたのが初めてで、野口さんが2人目となる。

野口さんはNASAのTimothy J. Creamer氏とともに、日本実験棟「きぼう」の組み立て完了後の2009年11月にソユーズ宇宙船でISSへ向かい、約6か月間滞在する。

滞在中の主な任務としては、「きぼう」を含むISSの各施設のシステム運用、ロボットアームの操作や船外活動、宇宙環境利用に重点をおいた科学実験などが予定されている。

野口さんは2005年7月にISSを訪れており、若田さんのバックアップ搭乗員としての訓練も受けていることから、経験ある日本人宇宙飛行士としてこれらの任務をこなす。

《宇宙航空研究開発機構 立川敬二理事長の談話》

野口宇宙飛行士は、前回のSTS-114の宇宙飛行および若田宇宙飛行士のバックアップ搭乗員として訓練を行った際の経験を生かし、若田宇宙飛行士に続く日本人2回目の長期滞在の任務を確実に実施できると確信しております。

若田、野口両宇宙飛行士がISSに長期滞在することで、我が国は着実に有人宇宙活動の経験と実績を重ねて技術・知見の蓄積を図っていくことになります。今後、両宇宙飛行士に続いて日本人宇宙飛行士が定期的にISSに長期滞在することが予定されており、我が国にとって、宇宙での有人活動がますます身近なものになるものと考えております。

■ 野口聡一宇宙飛行士の略歴

(野口聡一宇宙飛行士の画像)

野口聡一宇宙飛行士(提供:JAXA)

野口さんは1965年生まれ。2005年7月にスペースシャトル・ディスカバリー号(STS-114)に搭乗し、日本人としては初めて船外活動のリーダーを務め、計3回の船外活動を行った。ISSの組み立てを行う一方で、外部燃料タンク断熱材の落下によるシャトル翼への被害の確認と、補修技術の検証が行われた。この落下は2003年にスペースシャトル・コロンビア号が空中爆発事故を起こした原因であり、STS-114は事故後最初の重要な飛行だった。

■ 古川聡宇宙飛行士の略歴の略歴

(古川聡宇宙飛行士の画像)

古川聡宇宙飛行士(提供:JAXA)

古川さんは1964年生まれ。1999年2月に星出彰彦さん、角野(現 山崎)直子さんとともに宇宙飛行士候補者として選ばれた。2001年1月に宇宙飛行士として認定を受け、その後、ISS搭乗宇宙飛行士の訓練に参加。2004年5月には、ソユーズ-TMA 宇宙船フライトエンジニア資格を取得。2006年2月、搭乗運用技術者として認定された。