10年目を迎えたミラキャンペーン

【2007年11月2日 アストロアーツ】

日本変光星研究会主催の「クリスマスにミラを見ようキャンペーン(略称:ミラキャンペーン)」は1998年より毎年11月1日から12月31日の2か月間にわたって行われている観測キャンペーンですが、今年で10年目を迎えることになりました。


(近年のミラの光度曲線)

ミラの光度曲線。クリックで拡大(提供:ダイニックアストロパーク天究館)

(2007年のミラの光度曲線と今後の予想)

2007年のミラの光度曲線と今後の予想。クリックで拡大(提供:ダイニックアストロパーク天究館)

「ミラキャンペーン」では、毎年50〜60名の参加者により500目測前後の観測報告が寄せられ、9年間でのデータ数は4880目測にもなります。多数のデータによりミラの光度変化を精密に出すことができ、ミラの短周期変動なども検出されました。またこれまでの9年間のキャンペーンによって変光星観測を始められた方も多く、初心者育成のキャンペーンとしても成果をあげています。

10年目を迎えた「ミラキャンペーン」も11月1日より始まっています。今年のミラは2月下旬に2.1等の歴史的に明るい極大を迎えたあと、ゆっくりと減光していき、10月末ころにおよそ9.4等のどちらかというと暗めの極小になりました。このあとは最初はゆっくりと、しかし12月ころからは急速に明るさを増していき、来年1月下旬くらいに極大を迎えるのではないかと予想されています。

その意味で今年の「ミラキャンペーン」では、日に0.1等ほどのスピードで劇的に明るくなっていくミラを見る最高のチャンスとも言えます。またミラのこれまでの傾向として、直前の極小が明るければそれに続く極大も明るく、直前の極小が暗ければそれに続く極大も暗くなることが、指摘されています。これが今回も成り立つならば、10月に暗めの極小になったミラの1月の極大は暗い極大になると思われます。果たして予想どおりの暗い極大が見られるのかどうか、これもたいへんに興味深いところです。

「ミラキャンペーン」では、多くの皆さんにミラの光度を目測していただき、その結果をキャンペーン事務局に報告をいただいています。なお観測報告はメール、FAX、はがきに限らせていただいており、電話での報告はお受けしておりません。

事務局では、こうして寄せられた報告データを毎週末にまとめて光度曲線を作成し、報告者全員に葉書で返信しています。これにより観測された方は自分の観測値がほかの観測者と比べてどうかを確認することができ、またミラの光度変化の様子も知ることができます。これを2か月間行い、ミラの光度曲線を作成していきます。またキャンペーン終了後には結果をまとめた報告書も発行の予定です。

なお、観測方法や観測用星図、ミラの特徴などが載った観測資料「ミラ観測ハンドブック」をご希望の方は、キャンペーン事務局にご請求ください。キャンペーンへの参加、資料請求等はすべて無料です。ぜひ、お気軽にご参加ください。

また、キャンペーンの経過は日本変光星研究会ホームページで公開しています。ぜひご覧ください。

■ 資料請求および観測の報告、お問い合わせ先 ■
「クリスマスにミラを見ようキャンペーン事務局」
〒522-0341 滋賀県犬上郡多賀町多賀283-1 ダイニックアストロパーク天究館
FAX: 0749-48-2129
E-Mail: HHF00200@nifty.ne.jp

(注)このニュースは、ダイニックアストロパーク天究館の高橋進さんからいただいた原稿を元に作成しました。