火星探査最新事情:かつて火山が噴火したかもしれない

【2007年5月14日 JPL News Releases

探査4年目を迎えた火星探査車スピリットが、「コロンビアの丘」でかつて火山が噴火した証拠を発見した。火星探査車によって火山性と思われる堆積物が発見されたのは初めてのことだ。


火星に火山噴火の有力な証拠を発見

(火山の爆発で上空へ吹き上げられた岩によってつくられたと考えられる地層のくぼみの画像)

火山の爆発で上空へ吹き上げられた岩によってつくられたと考えられる地層のくぼみ。クリックで拡大(以下同)(提供:NASA/JPL-Caltech/USGS/Cornell)

(スピリットがとらえた「ホームプレート」の画像)

スピリットがとらえた「ホームプレート」(提供:NASA/JPL-Caltech/USGS/Cornell)

(マーズ・リコナサンス・オービターがとらえた「ホームプレート」の画像)

マーズ・リコナサンス・オービター(MRO)がとらえた「ホームプレート」(提供:NASA/JPL-Caltech/Univ. of Arizona)

2004年1月から火星探査を続けているNASAの火星探査車スピリットが、「コロンビアの丘」にある「ホームプレート」と呼ばれる場所で古代の火山噴火の証拠を発見した。

「ホームプレート」という愛称の由来は、高さ2メートルほど盛り上がった形が野球のホームプレート(本塁)に似ていたこと。昨年スピリットが調査を行った際に名づけられた。

この「ホームプレート」の周辺領域は玄武岩がひじょうに多い。研究者は、過去「ホームプレート」で起きた噴火は玄武岩の溶岩と水が作用したものと考えている。

玄武岩はたいてい液体の溶岩となって噴出する。そこに水が混じっていると蒸気の圧力によって爆発的な噴火となる。したがって、岩石中に塩素が多く含まれていれば、玄武岩の溶岩が海水と接触したことを示す証拠となるはずなのだ。探査車の科学機器主任研究員であるコーネル大学のSteve Squyres氏は「今後、詳しい岩石の組成が明らかになれば、噴火に水が関与していたことを示す証拠が得られるかもしれません」と話している。

さらに、「ホームプレート」における火山噴火のもっとも有力な証拠のひとつとして、爆発でできたくぼみが挙げられている。地球では、火山の爆発で上空へ吹き上げられた岩が地上の柔らかい堆積物の上に落ちてくぼみがつくられる。 研究チームでは、斜面に露出している岩石の層に残されていたくぼみが同様の作用で形成されたと考えている。

スピリットが「ホームプレート」に初めて到着したのは2006年2月のことだ。数か月間調査を行った後、冬の間別の地点へ移動していた。再びこの興味深い地点に戻ったスピリットは、現在この場所で起きたプロセスが水に関連していたかどうかを明らかにするために調査を行っている。

スピリットとオポチュニティによる火星探査は、すでに4回にわたって延長され、今年で4年目を迎えた。2007年4月26日現在、スピリットは火星日で1177日を過ごし、走行距離は7,095メートル。一方のオポチュニティは1157日で10,509メートルを走行している。