板垣さん、NGC 5735に超新星2006qpを発見

【2006年12月4日 VSOLJニュース(162)】

山形県山形市にお住まいの板垣公一(いたがきこういち)さんが、11月25日未明の超新星2006ovの発見(VSOLJニュース163)の翌日、やはり明け方の空で超新星2006qpを発見しました。連日の発見に、確認が追い付かないほどです。


(VSOLJニュース)

(著者:山岡均さん(九大理))

超新星は、11月25.85日(世界時、以下同様)に板垣さんが撮影した画像で発見されました。超新星の位置は以下のとおりで、明け方の空、うしかい座の棒渦巻銀河NGC 5735の中心から35秒角西、10秒角南にあたります。発見時の明るさは17.1等級でした。

  赤経  14時42分30.65秒
  赤緯 +28度43分25.9秒 (2000分点)
  NGC 5735の周辺星図と、DSS画像に表示した超新星

明け方に低く、また板垣さんがお住まいの地域では悪天候が続いたため、確認観測がなかなかなされませんでしたが、中央天文電報局からの情報を元に、兵庫県立西はりま天文台の内藤博之(ないとうひろゆき)研究員と、卒業研究のために同天文台を訪れていた九州大学の4年生、島田雅史(しまだまさふみ)さん、高木俊邦(たかきとしくに)さんが、30.86日にこの天体を確認し、晴れて公認されることとなりました。

今後の天体の変動のようす、また分光観測によるタイプ判別などが待ち望まれます。

(アストロアーツ注)

なお、板垣さんは同夜、アンドロメダ座大銀河M31に新星も発見されています(新星発見のニュース)。板垣さんによる「同一夜の超新星と銀河系外新星の発見」は、今年3回目の快挙です。


超新星2006qpの位置

この天体を天文シミュレーションソフトウェア「ステラナビゲータ Ver.8」で表示して位置を確認できます。ご利用の方は、ステラナビゲータを起動後、「データ更新」を行なってください。

<参照>

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