スペースシャトルを継ぐのは「オリオン」

【2006年8月25日 NASA Features

NASAは、スペースシャトルの後継機となる次世代宇宙探査船の名前「オリオン」を発表した。アポロ計画のカプセルに似た新宇宙船は、国際宇宙ステーションや月へ4名から6名の乗組員を運ぶ能力を備えており、将来的には火星への飛行も目指している。


(「オリオン」イメージ図 1) (「オリオン」イメージ図 2)

(上)「オリオン」(有人宇宙探査船とサービスモジュール)、(下)地球の軌道を離れる「オリオン」のイメージ図(着陸機とドッキングしている有人宇宙探査船)(提供:NASA)

「オリオン」はNASAの次世代有人宇宙探査計画"Constellation Program"において開発中の宇宙船で、その名の由来は有名なオリオン座だ。夜空で見つけ易く、明るさ、知名度とともに最高であるという理由からつけられた。オリオン・プロジェクト・マネージャーのSkip Hatfield氏は「オリオン座は、数世紀にわたり、冒険者たちを新世界に導く目印としての役割を果たしてきた星座です」と名前の意義を語っている。

「オリオン」の重量は約25トンで、内部のスペースはアポロ宇宙船の約2.5倍。国際宇宙ステーション(ISS)へ6人の乗務員と荷物を運搬することができる。また、月へ4人の乗組員を送り、7日間程度滞在させることができる。その外観はアポロ計画のカプセルに似た円すい形だが、これは、特に月から地球へ直接帰還する際の速度を考慮し、大気圏再突入にもっとも安全な形として採用されたものである。10回程度の再利用が想定されている。なお、打ち上げに使われるロケットは、先に名前が発表された「アレスI」だ。

「オリオン」の初飛行は2014年までに行われる予定で、まずは国際宇宙ステーションへ向かう。また、2020年までに再び人類を月に送るが、それは最終目的地・火星をめざした、小さな一歩にすぎない。