全日本プラネタリウム連絡協議会、日本プラネタリウム協会 総会(6月30日〜7月2日、川口市立科学館)

【2004年7月9日 アストロアーツ】

(総会のようすの写真)

シンポジウムのようす

(参加者の集合写真)

参加者の集合写真
(写真提供:AJPA JPS川口大会実行委員会)

6月30日(水)から7月2日(金)の3日間、全日本プラネタリウム連絡協議会(AJPA)、日本プラネタリウム協会(JPS)の2004年度総会並びに合同研究大会が開催された。会場となった埼玉県川口市の川口市立科学館には、全国からプラネタリウム関係者、関連企業・団体、個人など、約190名が集い、研究発表会、ベンダーデモ、シンポジウム、小グループでの討論などが行なわれた。

開会式では、今年3月に亡くなられたプラネタリウム界の鬼才・山田卓氏の冥福を祈り、参加者全員の黙祷が捧げられた。山田氏の下で共に名古屋市科学館のプラネタリウムを育て、信念を引き継いだ北原政子JPS会長は「プラネタリウムは私の夢です。今日の総会を、明日の仕事に役立てて下さい」と挨拶した。

研究発表会では、番組制作や各館でのイベントなど、さまざまな取り組みの実践報告が相次ぎ、活発な質疑応答がなされた。星ナビ編集部もプラネタリウムに関するアンケート調査の結果を発表した。プラネタリウムのロビーでは、コニカミノルタプラネタリウム(株)、(株)五藤光学研究所をはじめ、賛助会員の各社がブースを構え、新番組や新商品が参加者の注目を集めていた。ドーム内でもさまざまなデモンストレーションが行なわれ、アストロアーツは壁やスクリーンに美しい星空を投影する新製品「ステラプロジェクタ」を紹介した。大会2日目には「プラネタリウムの力」と題してシンポジウムが行なわれた。パネリストとして東京学芸大学教授の水野孝雄氏、科学ジャーナリストの林 衛氏、名古屋市科学館の北原政子氏を迎え、理科教育や科学リテラシーの視点からも、プラネタリウムのもつ可能性について重要な提言がなされた。

大会最終日には「プラネタリウム界は団結して、内部の力を充実し、外部へ働きかけよう」という大会アピールがまとめられた。大切なのは単に集客するということではなく、館の使命(ミッション)を果たすことであるとし、プラネタリウムの多様な役割や、社会と連携して活動を展開することの重要性が参加者間で確認された。ハードウェアとしてのプラネタリウムよりも、それを活かす「人」のレベルアップ、スキルアップの重要性が各方面から繰り返し強調された。

来年は大阪市立科学館を会場に、AJPA、JPSだけでなく日本プラネタリウム研究会(NPF)も加わり3つの業界団体が合同で行なう初の大会となる予定だ。プラネタリウム界のさらなる活性化を期待したい。

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