ハッブル宇宙望遠鏡が撮影した、黒眼銀河M64の不思議な姿

【2004年2月14日 HubbleSite NewsCenter

NASAのハッブル宇宙望遠鏡に搭載されたWFPC2カメラが、銀河M64の中心核周辺にある暗黒帯などのようすを詳細に捉えた。

(M64の写真)

黒眼銀河M64。複数のフィルタによる画像を合成したもの(提供:NASA and The Bubble Heritage Team (AURA/STScI)、謝辞:S. Smartt (Institute of Astronomy) and D. Richstone (U. Michigan))

M64はかみのけ座にあり、地球から約1700万光年離れている。メシエ天体の中では2番目に大きい銀河で、中心から少し離れたところに暗黒帯がある。この暗黒帯が小型の望遠鏡や天体写真では目のように見えることから、黒眼銀河(Black Eye galaxy)という別名を持つ、特徴ある銀河だ。名前の由来にもなっている特徴的な暗黒帯は、光を吸収するちりの帯で、画像からは、まぶしく光を放つ中心核を取り巻いて回転しているようすがよくわかる。

一見すると普通の渦巻銀河に見えるM64だが、1990年代、ひじょうに注目すべき発見があった。銀河の外側のほうにあるガスが、内側の星やガスとは逆方向に回転していることが明らかになったのだ。

研究者たちは、10億年以上前にM64と衝突し吸収された伴銀河によってこの逆方向のガスの流れが引き起こされたと考えらている。吸収されてしまった銀河はほとんど完全に破壊されてしまい、その名残が銀河の外側におけるガスの逆回転として残っているのだろう。

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