【レポート】日本プラネタリウム研究会 山梨大会(2月3〜5日、山梨県立科学館)

【2004年2月9日 アストロアーツ】

さる2月3日から5日の3日間、山梨県立科学館にて、第34回日本プラネタリウム研究会山梨大会が開催され、全国からプラネタリウム関係者100名以上が参加した。

(参加者の写真)

全国からプラネタリウム関係者が多数集まり活発な情報交換がなされた

日本プラネタリウム研究会(以下NPF)とは、プラネタリウム運営に携わる者が互いに協力し合って全国的な情報交換と技術向上および交流を図る場であり、年1回の全国大会の開催のほか、機関誌の発行などを行っている非営利団体組織である。NPFの入会資格は、プラネタリウムに関わる業務を行う団体(プラネタリウム館、企業)またはプラネタリウムに関心を持つ個人(プロ、アマ問わず)となっている。


(上山信一氏の基調講演の写真)

上山信一氏は基調講演で館の抱える問題点を整理し評価の原理を示した

近年、地域に根ざす活動を進めてきた各地のプラネタリウムは、ここへきてその成果を評価する段階にあるとの認識から、今大会のテーマは「評価」ということに設定された。基調講演は「ミュージアムの経営と評価」と題して、博物館業界のマネージメント分野にて経営の視点から評価の手法などを提唱している上山信一氏(慶應義塾大学大学院および大阪市立大学大学院教授)を迎えて行われた。

事例研究発表では、各館の実践報告など、全10件の発表があった。アストロアーツはNPFには今回初の参加であったが、星ナビ本誌および星ナビ.comでプラネタリウム情報を扱っている「パオナビ」に関する発表を行い、各館から寄せられた情報の取り扱いや、アクセス数の推移などについて報告した。


初日と最終日には、会場館である山梨県立科学館の制作した番組を連続して投映する「プラネタリウムフェスティバル」が行われた。プラネタリウム関係者が集まる場で6本もの番組がまとめて投映されることは珍しく、投映は深夜まで続いたが、同館のオリジナル番組のクオリティは、いずれも参加者に高く評価されていた。


(ワークショップの写真)

ワークショップでは円陣を組んだ会議など、ユニークな方法が採り入れられた

2日間にわたって行われたワークショップは、今大会でもっとも特徴的なプログラムであった。自然体験・野外教育という異分野から、川嶋直氏(財団法人キープ協会)をファシリテーター(参加者が自ら発見し学ぶことを促す進行役)として迎え、全員が参加するパネルディスカッションやブレインストーミングが行われたのである。全員参加型というワークショップの進め方そのものが、試みとして斬新なものであったが、その効果は大きく、アンケート調査のあり方など、参加者はそれぞれの考える「評価」について有意義な意見交換ができたようだ。

なお次回の全国大会は、2005年2月に徳島県立あすたむらんどで開催される。

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