木星探査機ガリレオ、残す任務は木星突入のみ

【2003年2月27日 JPL News Release

木星探査機ガリレオが、まもなく最後から2番目の観測データを送ってくる。28日にデータを送信した後は7か月ほど木星のあたりを飛行し、今年の9月21日、木星本体へと突入する予定だ。

1989年にスペースシャトル「アトランティス」号から放出されたガリレオは、小惑星や彗星、木星の大気や磁場など数多くの重要な観測を行なってきた。その中でも特に、ガリレオ衛星と呼ばれる木星の四大衛星(イオ・エウロパ・ガニメデ・カリスト)の観測や調査では輝かしい成果をあげてきた。6年前に主要な任務を終えた後に計画が3回も延長されたことからも、その能力の高さがうかがえるだろう。

ガリレオによる観測から、エウロパに地下海があるかもしれないということがわかり、何らかの生命体が存在している可能性が出てきた。今後ガリレオが操作不能になってエウロパに衝突してしまうという不測の事態を避けるためにも、ガリレオは木星本体へと突入して任務を終えることになっている。その時にリアルタイムに送られてくるデータが、ガリレオの本当に最後の信号ということになる。

現在ガリレオは昨年末に観測したデータを送信中で、その送信が終われば、7か月の短い余生を過ごすことになる。一時は300人ほどいた計画チームも今は30人程度になり、こちらも間もなく解散するということだ。