【投稿画像集】ヘーニッヒ彗星(C/2002 O4)、C/2002 O6彗星

【2002年8月9日 アストロアーツ】9月2日更新

7日のニュース「ヘーニッヒ彗星(C/2002 O4)とC/2002 O6彗星が観望好機!」でお伝えしたように、ヘーニッヒ彗星(C/2002 O4)とC/2002 O6彗星が観望の好機だ。ヘーニッヒ彗星は8月中周極星としてほぼ一晩中北天に見える。明るさは9等級前後だ。また、C/2002 O6彗星は明け方の東の低空に見える。こちらは6等級ほどの明るさだ。軌道要素や位置推算表、星図などは、5日のニュース「鈴木さん、新彗星を発見(NAOニュース)」(C/2002 O6彗星)や7日のニュースを参照していただきたい。

これらの彗星の写真を送っていただいたので以下に紹介しよう。(画像はクリックでオリジナルサイズで表示)

(9月2日補足)2002 O6彗星は、SOHO衛星の観測装置の名前を取って「スワン(SWAN)彗星」という名前になりました。


9月2日更新分

(水谷全克氏撮影のヘーニッヒ彗星)

(ヘーニッヒ彗星)
撮影者:
水谷全克
撮影日時:
2002年9月1日 20時08分〜、露出 5分×5コマ
撮影地:
三重県桑名市
撮影機材等:
タカハシ イプシロン210、IDAS 光害カットフィルター、ビットラン BJ32L冷却CCDカメラ(-5度に冷却)、タカハシ JP赤道儀
●撮影者コメント:
台風が通り過ぎた、久々の透明度の良い天候で彗星を撮影開始しましたが、カラー画像の撮影中、突然雲に覆われ撮影を断念、その後、雨天になりました。彗星は動きが速く尾の存在もわかりました。

8月15日更新分

(田中一幸氏撮影のC/2002 O6彗星)

(C/2002 O6彗星)
撮影者:
田中 一幸
撮影日時:
2002年8月12日 3時26分〜、露出 9分
撮影地:
山梨県塩山市 富士見山荘観測所
撮影機材等:
8インチ ベーカーシュミットカメラ(fl=460mm F2.3)、IDAS RGBバンドフィルター、Apogee AP2Epカメラ(-20度に冷却)
●撮影者コメント:
やや暗いものの7.6cm望遠鏡でコマをはっきり見ることができる。彗星の見かけの動きが速いので短焦点望遠鏡でも露出時間をかなり短めにする必要がある。

8月12日更新分

(田中一幸氏撮影のヘーニッヒ彗星)

(ヘーニッヒ彗星)
撮影者:
田中 一幸
撮影日時:
2002年8月7日 2時29分〜、露出 8分
撮影地:
山梨県塩山市 富士見山荘観測所
撮影機材等:
11インチ シュミットカセグレン、×0.63 レデューサー使用、IDAS RGBバンドフィルター、Apogee AP2Epカメラ(-20度に冷却)
●撮影者コメント:
7.6cm望遠鏡でもかすかに見ることができましたが28cm望遠鏡で覗くと、コマのかなり広がった様子がわかります。

8月9日更新分

(小渡伊三男氏撮影のヘーニッヒ彗星)

(小渡伊三男氏撮影のC/2002 O6彗星)

(1枚目:ヘーニッヒ彗星、2枚目:C/2002 O6彗星)
撮影者:
小渡 伊三男
撮影日時:
(1枚目)2002年8月7日 1時10分〜39分、(R, G, B フィルター)露出 2分、(L フィルター)露出 2分×8枚
(2枚目)2002年8月8日 3時16分〜47分、(R, G, B フィルター)露出 1分×2枚、(L フィルター)露出 1分×16枚
撮影地:
石川県石川郡
撮影機材等:
BORG 76ED(7.6cm屈折、fl=500mm)、レデューサー使用(F4.6、fl=350mm)、ビットラン BJ32L冷却CCDカメラ、タカハシ EM200赤道儀、トーカイ LRGBフィルターII + LPS-P1フィルター使用、R, G, B フィルター ビニング 2×2、L フィルター ビニング 2×2、冷却温度 -12度、-10度、ステライメージ3にて画像処理
●撮影者コメント:
C/2002 O4(ヘーニッヒ彗星)は北天のケフェウス座を移動中ですが周極星となっているので好条件で観測ができます。この日の透明度は今ひとつでしたが、青色のコマから南西方向に尾がのびているのが確認できます。
C/2002 O6は東空に上ってきたオリオン座のγ星べラトリクスのすぐ上側にいたので、7×50双眼鏡でも同一視野で簡単に見ることができました。この夏一番の透明度だったせいもあり、エメラルドグリーンのコマからのびた細長い尾が写りました。
視野の長辺は約1°です。
なお両彗星とも私のHPでも公開しております。

(北野宏治氏撮影のC/2002 O6彗星)

(C/2002 O6彗星)
撮影者:
北野 宏治
撮影日時:
2002年8月8日 2時57分〜3時18分、露出 16秒×8枚コンポジット
撮影地:
長野県南安曇郡安曇村
撮影機材等:
FC-100 + LV25mm、オリンパス C-4040ZOOMでコリメート撮影、F1.8開放
●撮影者コメント:
最初の観測地が午前2時ごろになって曇られてしまったため、急遽場所を移動しあわてて撮影しました。流れてくる雲、強風、デジカメのノイズに悩まされながらの撮影でした。彗星は思った以上に明るく、8×35の双眼鏡でもはっきり位置がわかりました。画像の背景の恒星の移動量から彗星の動きの速さが伝わってきます。尾も淡いながらも写すことができましたが、肉眼では「尾が伸びているかな」程度の見え方でした。

(原田泰典氏撮影のC/2002 O6彗星)

(C/2002 O6彗星)
撮影者:
原田 泰典
撮影日時:
2002年8月6日 3時10分、露出 30秒
撮影地:
静岡県浜松市
撮影機材等:
キヤノン EOS630 EF50mm F1.8→2.0、フジカラーズームマスター800
●撮影者コメント:
「C/2002 O6」を撮影しました。固定撮影で写ります。出張先の浜松で情報に接し、手持ちの機材で確認したところ,10×42双眼鏡で比較的簡単に確認できました。写真も、標準レンズによる固定撮影で「彗星色」に写せました。情報提供いただきました浜松スペースハンタークラブの村井様に感謝いたします。黒の十字線の交点付近に写っています。撮影中、ペルセ群と思われる流星が結構見えました。今から既に活発な様子ですので、極大に向けて、この彗星共々、今後楽しみです。